岡山県議会 > 2003-09-18 >
09月18日-06号

  • "世代"(/)
ツイート シェア
  1. 岡山県議会 2003-09-18
    09月18日-06号


    取得元: 岡山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-10
    平成15年 9月定例会          ◎ 平成15年9月岡山県議会定例会会議録  第6号〇 平成15年9月18日(木曜日)                  議  事  日  程                  午前10時30分開議第1 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                  本日の会議に付した事件日程第1 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        午前10時30分開議 ○議長(戸室敦雄君)  皆さんおはようございます。 これより本日の会議を開きます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 一般質問 ○議長(戸室敦雄君)  日程に入り,一般質問を行います。 31番内山登君。   〔 31番 内山 登君 登壇 〕 ◆31番(内山登君)  おはようございます。自由民主党の内山登でございます。今期初の登壇でございます。今期も,この質問も,不惜身命の心を忘れず,頑張ってやりたいというふうに思っておりますので,よろしくお願いを申し上げます。 さて,このたびの台風10号に伴う集中豪雨による被害は,県東部を中心に,私の地元和気郡におきましても大きいものがございました。被災者の方々に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。今後につきましては,私自身も災害復旧へ向け努力を尽くしてまいりたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。 それでは,質問に入ります。 まず,「こうち100年クラブ」についてであります。 今から135年前,日本は明治維新によって近代国家のスタートを切りました。当時は「坂の上の雲」として欧米に範を求めるという明確な国家目標があり,国力の増強に官民を挙げて取り組みました。その雲を早急に追い求める余り,第2次世界大戦で手痛い敗北を喫し,がけの下に転げ落ちる羽目となりました。しかし,日本人はたくましい。戦後も,焼け野原から再び官民一致協力して雲を追い求め,ついに雲の上に達しました。世界でも有数の経済大国に成長し,物不足から物余りの豊かな社会を実現いたしました。名実ともにフロントランナーになったわけであります。その結果,新たな国家目標が必要になりましたが,それを見つけられないうちにバブルを迎え,そして崩壊の憂き目に遭うといった流れの中に現在があるわけでございます。 そこで,地方は,この岡山はどうするべきか,新たな社会システムを構築することが必要であります。そのためには,国,都道府県,市町村という中央集権体制を改め,分権型社会に転換する必要があるのは御承知のとおりであります。 現在,岡山県は,5年間の新世紀おかやま夢づくりプランを策定し,これに基づいて運営がなされています。最近は,これに数値目標を設定し,達成度を図ることも実行に移されました。これは大変よいことであると思っております。しかし,社会の現実は厳しく,特に経済の状況は思わしくなく,倒産件数や失業率は厳しい状況が続いています。また,そのような状況下で,岡山県財政は国の構造改革の影響も色濃く出て,好転の兆しはなかなか見出しにくいのが現状であります。このような状況の中で,夢づくりのプランとはいうものの,県民サイドに立てば本当に夢を持つのが厳しい現実であります。 そこで,提案でありますが,かつて高知県は,各界の有識者による「こうち100年クラブ」を発足させ,その提言を受けてきました。これは,高知県知事の地域づくりには100年というスパンの発想が必要であり,ミレニアム記念という色彩はあるものの,県民とともに高知県の将来像を考えたいという願いから生まれたものであります。 現状の分析や予測でなく,知事として実現したい岡山を掲げることこそ,県民に夢を与えることになると考えております。知事は道州制への移行をアピールされておられますが,この道州制によってどういう岡山の地域にしていきたいのか,現状の分析や予測でない知事の熱き思いを掲げることによって,また現在の厳しさの次に来る未来社会を県民の方々に訴えることによって,現在に耐える力と夢を与えることができると考えています。その意味で,「こうち100年クラブ」のようなものの提示の可能性や,道州制実現の際の岡山地域について,知事の思いをお伺いいたします。 次は,人材政策についてであります。大きく4つのことをお伺いいたします。 第1は,人材流出についてであります。 閉塞感のある社会情勢の中で,岡山県の力を新たに生み出していくには,何といっても人材,それも優秀な人材があらゆる分野にわたって必要であることは言うまでもありません。また,年齢的には,学齢期にある児童生徒,学生については有能な人材を生み出すべく,県としても努力を重ねていかなければなりません。ここで問題になるのは,人材の県外流出の問題であります。195万人の県民を有する岡山には,無数の優秀な人材がいると確信いたしております。その人材が大きく県外に流出するのは,県下の高校を卒業して県外に進学や就職で出て行くときであります。この出て行った人たちは,なかなか岡山に戻ってきません。もう一つは,県内大学の卒業者です。わざわざ岡山に来て勉強したにもかかわらず,また外に出て行ってしまいます。岡山県内大学卒業者における就職状況について,岡山大学と岡山県立大学について調査をしたところ,以下のような状況でありました。 岡山大学の卒業者のうち,岡山での就職率は35から40%,岡山大学では卒業者の約6割が県外へ流出しています。また,岡山県立大学では,卒業者の四,五十%が岡山で就職をしています。この数値は,岡山大学と比較するとある程度高いわけでありますが,岡山県費を使った学校でも5割は県外へ流出しているということであります。岡山県内の企業等に受け皿が少ないという問題はもちろんあります。しかし,今申し上げたような傾向は否めないのが現状であります。 そこで,まず改革すべきと考えるのは,岡山県立大学であります。もう少し詳細にデータを見ると,平成13年度の就職者のうち,県外出身者101名,県内出身者83名。県外の方が多いわけですが,この県外出身者の人たちのうち,県内に残るのはわずか11名であります。学部別に見ると,情報工学部では,県外出身者の岡山残留率は26名中わずか2人,8%であります。岡山情報ハイウェイを持ち,情報先進県を目指している岡山県においてであります。また,保健福祉学部についても,県外出身者の県内就職は48名中わずか6名,13%であります。歴史ある岡山大学医学部等を有し,岡山市は国際福祉都市を目指すというスローガンを掲げ,全国に誇る保健・福祉・医療の蓄積を生かしたまちづくりを進めるという目標を掲げているにもかかわらずであります。 これらを通じて申し上げたいのは,県立大学は言うまでもなく県費を投入したものであり,さきの不祥事もあり,改革が進められている状況であります。県立大学については,比較的残留率の高い県内出身者比率を入学時に上げるのも一つであります。また,インキュベーションセンターやe-プラザ等情報先進県を目指す我が県の施策やメリットを,学校や教授陣にも徹底すると同時に,県外出身者にもアピールする必要があります。少なくとも岡山県立大学については,この時期に何らかの手を県として打つべきと考えます。知事としての方法論も含めた御見解を,県立大学についてお伺いいたします。 また,教育長には,この人材流出の問題全般についての見解,そして県立高等学校卒業者に対しての岡山への残留率向上のための方策,県外大学進学者Uターン率アップの方策について御意見をお伺いいたします。 第2は,地域振興プロデューサーについてであります。三重県はユニークな試みを実施しています。地域振興のプロデューサーを,民間の専門家から求めるというものであります。そもそも三重県の南部,熊野市のエリアでありますが,ここは典型的な中山間地域でありますが,この地域振興には前知事北川氏,現知事野呂氏も心を砕いてこられたそうであります。そこで,三重県の地域振興部が考えたのがこの事業であります。紀南振興のプロデュース業務委託,これを企画コンペとして受け付け,年間1,300万円の予算で委託するというものであります。目的はもちろん中山間地域の活性化であります。 私はこのプロデューサーに会ってまいりました。年齢46歳,男性でございますが,この方法は,いわゆるすぐれた人材を広く求めて,県や市町村の能力にないものを補完するという意味ではうまい試みであると感じてまいりました。このプロデューサーの発言によると,こう言っているんですね。「これまで地域振興において余り重要視されていなかった,住民の意思に基づく振興策の策定と実施,ビジネス感覚を前提にした事業の展開などにおいて面白い結果が出せるのではないかと考えています。逆に言えば……」,ここからが重要なんですが「逆に言えば,行政の予算主義と単年度主義,公務員の仕事に対する熱意などに対して問題があることを痛感しています。また,地域住民自身が現行の制度を前提にすべてを発想する,すなわち行政依存の体質がすっかりでき上がっていることに驚くばかりです。こういう認識を改めていくためには,相当の忍耐が必要であると日々痛感していますが,光も見えつつあります。」これは,私あてに三重のこのプロデューサーから届いたメールの一部であります。 岡山県においては,既に東京,大阪事務所にそれぞれ民間の方々を迎え,その成果が上がっています。また,県立高校の先生にも,民間の方の能力が発揮できる場が与えられています。一方,いわゆる中山間地域施策についてはなかなか難しい局面を迎えていますが,2月定例議会において,岡山県中山間地域の振興に関する基本条例が議員立法により成立したところであります。このような状況の中で,岡山県も地域振興について,民間から三重県のような地域振興プロデューサーを導入することを検討してはと考えておりますが,いかがでしょうか。知事に,中山間地域の再活性化の方策全般について,またこのプロデューサーの導入についての御意見をお伺いいたします。 第3は,人材交流についてであります。地方分権が進展している状況の中で,権限と財源の行使の上手下手によって自治体ごとに差が生ずる時代を迎えていることは間違いありません。この分権に向けて,地方自治体が準備すべきことの第一は,人材育成であると言っても言い過ぎではないと思っております。中央集権体制が長く続いてきたために,特に補助金が政策形成にかかわる人的能力を大きく減退させたと考えております。「何をなすべきか」,これが最重要であるにもかかわらず,補助制度があるか否かを,そしてどう行くことが最上であるかにもかかわらず,補助の採択基準やメニューの方が重要視されてきました。岡山県もその例外ではありません。そして,岡山県下の市町村は,もっと大きくその傾向があると考えております。今必要とされるのは,現地現場主義を徹底することと,前例踏襲と横並び意識からの脱却等の意識改革であります。 第3次行政改革が今後進められる手はずになっております。この中で,地方振興局等も改廃議論が進むと考えておりますが,この機会に県職員を市町村にもっと出していただく,これによってこの統廃合を機会に市町村の活性化を図る,そして同時に,県職員の意識改革を進めてはいかがでしょうか。 また,この垂直的な人事交流だけでなく,水平的な人事交流も今以上に展開すべき時期を迎えていると考えます。現在,民間企業2社と行っている研修も,それぞれの職員のスキルアップや意識改革に役立つと考えます。新たな研修制度,垂直的人事交流水平的人事交流による人材育成と意識改革に向けた施策の展開について,知事のお考えをお伺いいたします。 第4は,教師についてであります。人材のことといえば,やはり将来を担う子供たちが最重要であります。そこで,本日は,教師のあり方の一つについて申し上げます。 平成14年1月に教育委員会が発表した,教員の指導力の実態に関する調査の件,いわゆる指導力不足教員の問題であります。校長先生が,教壇に立たすべきでないと答えた教員の数129名。こうした教員への処遇問題については,私は14年2月定例議会で取り上げました。そのときの教育長の答弁は,「実態に応じた個別指導を行うとともに,校内外における特別研修等を検討している」というものでありました。それから約1年半,こうした教員はその後どのように処遇されたのかについて,人事異動も含め,教育長にお伺いをいたします。 本日の最後の質問は,クオンタムジャンプについてであります。 組織体の成長は,これまでに分析され,理論化されていますが,御承知のとおり決して一直線に伸びていくものではありません。縦軸にGNPをとり,横軸に時間をとった場合,必ずS字カーブを描いて成長していくそうであります。まず,立ち上がりのころは,カーブの弧はそれほど大きくはありませんが,それがあるときからぐんぐんと右上がりの急勾配で上がっていきます。この時代は「膨張の時代」であります。次に,カーブは少し緩やかになります。そして,持続して安定成長する「成長の時代」に入ります。その後,カーブはほとんど横に寝た状態になります。一つの成長が終わった後の「成熟の時代」であります。このように,国,県を初め,すべての組織体がS字カーブを描いて成長し,これを繰り返していくということであります。組織体がS字カーブを繰り返しながら成長するとき,どうしても越えなければならない壁が2つあります。1つ目は,カーブが一番最初に急勾配になるところであります。つまり,立ち上げの段階から膨張の時代へ移るときに存在する壁であります。岡山県においては,水島コンビナートの活力によってこの壁を打ち破り,膨張の時代を経て,農業県から工業県へと生まれ変わり,雄県の一つになってきたということと考えております。第1の壁はうまく突き破ることができたということであります。しかし,S字カーブにはもう一つの壁があります。うまく最初の壁をジャンプして,膨張の時代に,そして成長の時代に入っても,やがては伸び悩みの成熟の時代がやってまいります。そこでまた成長の路線に乗ろうと思えば,もう一度ジャンプしなければなりません。ここに2つ目の壁があります。この壁をジャンプしてさらにもう一度成長するステップへ上がることを,クオンタムジャンプと言うそうであります。クオンタムジャンプとは,もともとは量子力学の分野で使う用語で,分子の中にあるエネルギーを持った量子が活発に動いて,分子そのものの性質を変えていくこのことを言うそうであります。岡山県の現状をかんがみるとき,今,岡山はその第2の壁にぶち当たっている状況と考えております。この壁を乗り越えるためには,今申し上げたクオンタムジャンプを起こさなければなりません。ここでもやはり人材が重要であります。 明治維新のとき,薩摩,長州の若者たち,坂本竜馬といった人が登場して大きな変革を成し遂げました。既成の枠にとらわれず,常識を打破するような発想と行動で現状を打破し,壁を突き破る人,このような人が必要であります。現代でも,アメリカのゼネラル・エレクトリック社ジャック・ウエルチのように,一度成熟期に入ったGE社がこのジャック・ウエルチのリーダーシップのもとで次々と改革を行い,もう一度立ち直ることができたのは有名な話であります。 このような時代の変換点で大変に御苦労されておられる石井知事,ぜひここで岡山におけるジャック・ウエルチのような展開を期していただきたいと考えております。そして,今こそ,こういった人材を,日本といわず世界から知事の有力な参謀として招聘してでもやるべきではないかと考えております。 この時代の中で,クオンタムジャンプを起こそうという考え方,そして,知事の考えるこの時代,この岡山におけるクオンタムジャンプの方策についてお伺いをいたします。 質問は以上でございます。明快な答弁をよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。 ○議長(戸室敦雄君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の内山議員の質問にお答えをいたします。 まず最初に,「こうち100年クラブ」についてのお尋ねでございます。 県政の将来像というものを描きながら,長期的な視点からその戦略を提言をしていくということは,これは極めて重要なことと考えておりまして,本県におきましても,御承知のとおり,有識者の方々で構成いたします「おかやま21世紀戦略会議」を設置をいたしまして,平成12年3月に「人・モノ・情報が行き交う快適生活県おかやまの実現をめざして」と題する御提言をいただいたところでございます。こうした将来展望のもと,これから先,三位一体等,真の地方分権改革の推進の問題とか,「おかやま産業・雇用戦略会議」を設置をして,これからの岡山県の産業政策を考えていく,さらには,御紹介いただきました岡山県長期ビジョンの実現等によりまして,岡山の将来の大きな飛躍につなげていきたいと,このように考えているものでございます。これからも,適時適切に必要なそういう戦略を,有識者の方々等の御意見も踏まえながら練っていきたいと,このような姿勢で臨んでいこうと思っております。ただ,100年という先を見通すことが現時点で可能なのかどうかといった点もございまして,ある程度先の将来展望ということは必要だとは思いますけども,そういったことも考えながら戦略を練ることは極めて重要だと,このように私も考えております。 ところで,御指摘をいただきました道州制実現後の岡山県の姿ということでございます。私が提唱いたしております中四国州におきましては,大きな権限あるいは財源を国から移譲を受けまして,そして自立力のある広域的自治体といたしまして,州独自の産業政策あるいは交通基盤の整備,情報基盤の整備,あるいは福祉政策,文化政策等々幅広く展開をすることが可能となるわけでございます。その結果,内外から多くの方々が相集い,だれもが生き生きと夢を持って将来に希望を抱きながら暮らしていける社会,これが実現できるものと私は考えております。その中で,今の岡山地域は極めて重要な役割を果たしていくと,このような中四国州になるものと私は夢を描いているものでございます。 次に,人材政策であります。 県立大学卒業生の就職でありますが,平成14年度の大学全体の求人数,これが約1,500人いただいておりますが,そのうち県内企業からの割合は20%台にとどまっておるということでございまして,学長初め,教職員の企業訪問によりまして,求人情報を積極的に入手をするように努めているものでございます。学生に対しましては,県内優良企業ガイドの配布とか,県内企業の魅力や,御紹介いただきました県の先進的な情報化施策のPRなど,幅広い就職ガイダンスを行っているところでございまして,今後は,県内経営者を迎えての講義の開設とか,インターンシップのさらなる拡大など,県内の企業情報の提供にさらに努力をしてまいりたいと考えております。 また,県立大学への入学でありますが,県内出身者のために入学金を3分の2に軽減をしているところでございますが,定員の2割強となっております県内高校向けの推薦入学枠につきまして,大学において見直しをしていただくようお願いをしております。すなわち,さらにこれをふやしていくという方向で見直していただくということにしておりまして,加えまして,高校との意見交換会とかオープンキャンパスなどによりまして,県内の高校との連携を密にするということで,なお一層県内出身者の確保に努めてまいりたいと考えております。 次に,中山間地域の活性化と地域振興プロデューサーでございます。 御紹介いただきました紀南振興プロデューサーでございます橋川さんという方は,松下政経塾の第1期生であるようでございますが,私も企画されました「おかげ横丁」を見てまいりました。すばらしい,人が集まる新しいデザインの施設ができておりまして,大変活性化しておりましたが,この企画もこの橋川さんがなさったというようにお聞きしておりまして,すばらしい地域振興にかける情熱をお持ちの方のように伺っております。 まず,中山間地域の全体の活性化策でございますが,特に過疎化高齢化により著しく活力が低下をしております地域の課題解決のために,住民が安全で安心して自立した生活が営めるということに重点を置きました中山間地域活性化基本方針を,現在取りまとめているところでございます。この中にありましても,人材の活用が重要な要素になってくると,議員御指摘のとおりだと私も考えております。 御提言をいただきました地域振興プロデューサーの導入の問題でありますが,実は本県でも,NPOなど民間の知識や経験を生かしました企画コンペ方式であります中山間地域“協働”モデル事業を実施をしてきているところでございまして,「都市との交流」とか,あるいは「田舎暮らしのすすめ」などの幾つかのテーマで,県内で活躍をしておられます民間団体,グループの中から,中山間地域の活性化に資するソフト事業を提案していただきまして,そして採択をした後,その当該団体に事業を委託するという大変ユニークな事業でございます。モデル事業としてスタートしたわけでございますが,こういった事業など,民間の人材を活用した事業に取り組んできているところでございますが,今後とも,こういった事業をさらに活用することによりまして,官民協働によります中山間地域の活性化に努めてまいりたい。こういう事業を進める際に,御紹介いただきましたようなプロデューサーのアイデアもどんどんこれから生かしていくことができればと,このように考えております。 人材交流でありますが,御指摘いただきました市町村,他府県との交流とか,あるいは民間研修を実施することに加えまして,現場の課題や要望を施策や事業に的確に反映をさせていくために,各部局の若手の職員によります現場体験短期研修を実施をしております。さらに,今年度から,新任課長のNPO・民間団体等への現場活動への参加という新たな研修にも取り組んでいるものであります。今後とも,人事交流や現場との対話を重視いたしました研修の充実に向けまして,政策と行動の県庁に向けて,さらに人材の育成となお一層の意識改革に努めてまいりたいと存じます。 最後に,クオンタムジャンプについてのお尋ねがございました。 今日のまさに変革の時代の中にありましては,人口増加を前提といたしました成長拡大型の旧来の考え方等を見直していく中で,お話にございましたように人材を核にいたしまして,21世紀型の新しい社会経済システムへの転換に取り組んでいくことが極めて重要と存じます。私といたしましても,そういった見地から,国内外の第一線で活躍される方々を岡山にお招きをして御意見をお伺いするとか,あるいは私自身東京,大阪に出向いてアドバイスを受けることなどを初めといたしまして,民間人材の幅広い登用など,グローバルな人材活用を進めていきますとともに,産学官の連携,また地域の宝となります人材の育成に改めてこれからも力を入れて,県民力の結集を通じ,新時代にふさわしい社会経済の構造改革を断行していかなければならないと考えております。 特に経済面におきましては,水島地域を初めといたしました物づくりの伝統とか,陸海空の広域交通基盤の整備等の本県の強みをさらに生かし,IT,バイオ,ナノテク,光化学など21世紀をリードする新産業の創出展開等を戦略的に進めて,そしてこれらを成長のエンジンといたしまして,本県の飛躍発展に結びつけていきたいと,このように存じます。議員御指摘のように,これからの成長の核となります大きなエネルギーを持った人材を内外に求めていきたいものだと,このように考えております。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  教育長宮野正司君。   〔 教育長 宮野正司君 登壇 〕 ◎教育長(宮野正司君)  お答えをいたします。 まず,県立高校卒業者等の人材流出についての見解でございますが,私といたしましては,豊かで活力のある郷土岡山を築くためには,意欲と実践力を備えた人材の確保が不可欠でありますので,現在の県外流出の状況を好ましいとは考えておりません。ただ,御紹介のありました坂本竜馬のように,自分の持てる力を十二分に発揮するため世界に雄飛するという気概を持った人材も育成したいと考えております。 次に,岡山への残留率向上についてでございますが,就職につきましては,地元企業でのインターンシップや就職面接会の拡充,さらに今年度新たに県内企業の採用担当者から直接高校生が話を聞くジョブフェアなどを通しまして,地元企業への就職の機会拡大に努めております。進学につきましては,県内の大学,短大と連携の協定を結び,高校と大学との交流を促進しております。このことが地元の大学への進学,さらには地元への残留へとつながってくれることを願っております。 次に,県教育委員会として県外への大学等進学者のUターン率のアップを図ることについてでありますが,なかなか妙案を見出すことはできませんが,幼少時からさまざまな機会をとらえて郷土岡山のよさに気づかせることにより,将来にわたって岡山を支えたいという心情を育成してまいりたいと考えております。 最後に,指導力不足教員についてでございますが,本県におきましては,調査研究協議会の報告を踏まえまして,判定委員会の設置や指導力回復のための特別研修などのシステムを構築し,とりわけ厳しい実態にあります8名につきましては,本年度から県教育センター等で個別のプログラムに基づき特別研修を実施しております。 お尋ねの,教員のその後についてでございますが,疾病が主な原因とされた者につきましては,退職や休職が22名,そのほかの者には通院などの治療を優先した対応を行っております。また,疾病以外とされた者につきましては,退職や休職が11名,転勤が15名,改善が見られた者17名,引き続き管理職や指導主事による指導を受けている者が45名となっております。 今後とも,このたび整備いたしましたシステムを適切に運営いたしますとともに,学校内外からの支援体制を整え,教員の指導力の回復向上を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  14番蓮岡靖之君。   〔 14番 蓮岡靖之君 登壇 〕 ◆14番(蓮岡靖之君)  おはようございます。自由民主党の蓮岡靖之でございます。通告に従いまして,順次質問をいたします。 まず第1番目は,来年度予算編成について数点お伺いをいたします。 未曾有の財政危機に陥ってはや数年,失われた10年という言葉がもはや過去になってしまった感のある昨今でありますけれども,いつの間にかことしも9月を迎え,来年度の予算編成のことが話題に上るようになりました。 週刊ダイヤモンド8月23日号には,「特集地方公務員の税金天国」という特集記事の欄で,都道府県の財政破綻ランキングのチャートが掲載をされておりました。我が岡山県は,100%を超えたら危険だとされる経常収支比率が93.3%で全国7位,20%が危険水域だと言われる起債制限比率が18.9%で第1位等々の指標で,大阪府に次いで堂々全国2位,ワースト2位というランキングがなされております。 ちなみに,全国695都市財政破綻度ランキングに目をやりますと,岡山市が46位で4段階の最低のDランク,以下笠岡,新見,倉敷のCランクが続き,高梁市,井原市とわずかBランクは2市のみというようになっておりました。言い古された表現ではありますけれども,まさに全県下火の車状態,このような局面で,知事を初め執行部の皆さん方は厳しい予算編成を余儀なくされ,大変頭の痛い時期であろうとお察し申し上げます。 そこで,石井知事は,平成15年度の予算編成におかれましては,歳出水準抑制のため例外を認めない厳しいシーリングを設定され,加えて細部にわたる予算査定も行うという,大変きつく,例のない厳しい予算編成を打ち出されました。また,財政当局の強い統制下に置かれている予算編成において,部局の自主性をより一層高めていくことが重要であり,各部局が県民に対する説明責任を果たしながら,限られた財源を自主的に管理し,長期的視野を持ちつつ,最小の経費で最大の効果を上げようとするマネジメント能力を高めていくことが肝要であるというふうにされております。大変問題点を絞られ,的を射たすばらしい認識であると高い評価をさせていただく次第であります。 そこで,このような事案を受け,平成16年度,来年度の新しい予算編成につきまして,基本方針やその取り組み状況,今後のタイムスケジュールなどにつきましてお知らせを願いたいと存じます。 次に,来年度予算の中で,夢づくりプランとのかかわり合いにつきましてお尋ねをいたします。 ことし7月に夢づくりの政策評価が行われました。おおむね順調とのことでありましたが,新規の政策予算枠が非常にタイトになっている状況下で,夢づくりプランの予算枠はどのように確保あるいは割り振られていくのでしょうか。要するに,大歳出削減下,政策経費の中で新しい施策の予算がどれくらいあり,その中で夢づくりプラン対応分がどれくらいあるのかという対比についてどうなるのかということであります。 また,議場の皆さん方も同様であると思いますが,県民の方々から生活に密着したような改善要望等をお聞きするとき,今は県はお金がないんですというようなお話をよくされると思います。しかし,そういう話をしても,「そんなに暗い景気の話をするな」とよくたしなめられることがあると思います。ぎりぎりの歳出削減の断行によって,県民の皆さんが要望される案件に予算がつかないとなれば,夢づくりプランだけは別枠で推進するということにはどうも理解が得られないのではないでしょうか。行政に寄せられる県民の期待や生活に密着するような予算が,夢づくりプランに費やす予算のためにないがしろにされるのではないかと危惧するものであります。この点を踏まえまして,この際,来年度予算編成の中で夢づくりプランの予算がどのように設定されているかについて,お考えをお聞かせ願いたいと思います。 次に,このような厳しい財政状況下では,少ない予算を効率よく編成をしていく中で,予算決定までのその過程を透明化するということは,情報公開,アカウンタビリティーの側面からも非常に重要なことであると考えます。そうすることにより,知事の思いや考え方などが際立つことにもなり,予算は県民のためにあるという原点に立ち返らせることにも帰結することではないかと思うものであります。 あの中田宏市長率いる横浜市では,今年度の予算決定過程につきまして,予算要求から予算審査までのプロセスを市のホームページ上で公開をしたということであります。もちろんすべてのものではなくて,公開されているのは市の総事業の約10分の1に当たる新規拡充事業を中心とした主要約200事業とのことでありますが,局側からの要求の妥当性や,市長が下す優先順位の是非などがチェックできるようになり,さらに重点化事業や削減,縮減,内容変更事業などが明らかになり,職員にとっても全庁的な視点に立った発想を養うための材料にもなると期待されているのであります。要求額や市長査定後の計上額,その理由なども対象になっており,まさにガラス張りの予算決定と言えるのではないでしょうか。御認識と,このような制度導入に向けた取り組みにつきまして,お考えをお聞かせ願いたいと思います。 次に,ボランティア・NPOとの協働についてであります。 県も,これまでにも情報の提供や人材,組織の育成,活動支援センターの運営助成など,ボランティア・NPOの自主性主体性を損なわないようにさまざまな支援施策がなされてきております。しかし,やはり非営利とはいうものの,事務所運営のランニングコストであるとか,必要最小限度の予算は必要であり,この大不景気の状況では,どこも同様にNPO等の台所事情が厳しいようであります。このような中,「ユースプラザほっとハート事業」委託ということで,NPO法人2団体へ632万円など,今年度,負担金や委託という形で15事業,26団体6,856万円余りが予算化をされております。県がボランティア・NPOをさらに支援していくという方向性の中,このような事業負担やNPOへの事業委託をふやしていくという基本姿勢をぜひともお願いをしたいわけであります。そうすることにより,各ボランティア・NPOの運営が順調に行えることにもつながるものであると思います。来年度予算におきまして,ボランティア・NPOとの協働事業についてさらなる充実をということにつきまして,御見解をお伺いしたいと存じます。 次に,この本議会におきましても,瀬戸内海への観光戦略や観光資源としてのすばらしさなどが多々話題に上っておりますが,知事からも,その際,来年の指定70周年に向けて力強い御発言もございました。また,先般出されました夢づくり政策推進指針2004の中でも,瀬戸内海国立公園の指定70周年記念事業につきまして,「国に協調して実施する」という文字を発見いたしました。大変ありがたいことでもあり,瀬戸内海といえども,この時点では特に鷲羽山,王子が岳を中心にした指定であったことを勘案すれば,おのずと地元児島地区での記念行事開催に向けて,いよいよカウントダウンが始まった感を自分なりにしております。児島地区でも,鷲羽山周辺をボランティアの方々で清掃奉仕をしたり,ファッションタウン児島推進協議会の70周年記念事業実行委員会というところでは,日々活発な議論が行われていたりします。そこで,時期尚早とは思いますが,来年3月16日が70周年の指定日ということもあり,具体にどのような行事を県として想定をされているのか,お答えいただける範囲で御見解をお聞かせ願いたいと思います。 次は,建設行政について土木部長にお伺いいたします。 岡山県では,入札制度の改善につきましては,予定価格の公表や,昨年から指名競争入札で業者指名から入札,落札結果の通知まですべてインターネットで行い,都道府県レベルでは初の電子入札を実施しており,以降各振興局などでも実施をしているようであります。平成14年度9月以降は,コンサルタント業務で全面的に電子入札を実施し,さらに11月以降は,大規模工事の入札で試行をしており,物品の指名競争入札も電子化をしているというような状況であります。私は,この際,せっかく先進的にここまで施策を進めていることであれば,指名ではなく一般競争入札にすべきであるというふうに考えております。 そこで,まず予定価格の公表や電子入札システムの導入により,どのような効果があったと考えておられるのか,御答弁を賜りたいと思います。 次に,県内の優良な業者を優先して落札機会がふえてもらわなければならないという観点と,障害者雇用に積極的な企業を増加をさせようという2つの観点から,例えば現在のように就職の困難な時節柄においても,障害者雇用率を達成しているような業者には,優遇して仕事が落札できるような仕組みが構築できないでしょうか。あるいは,ボランティアに熱心で社会的貢献度の高い企業などについても,同様に優遇制度が考えられないでしょうか。 折しも,今月は障害者雇用促進月間であります。建設業の障害者雇用率は,県全体の1.77%に比べ1.48%と大きく下回っている状況ではありますが,まじめに一生懸命努力している者が浮かばれない,評価されないような社会では,夢も希望も持てません。一説には,このような優遇制度は大企業に有利に働くのではないかとも言われておりますが,企業間の経済的負担を調整できる障害者雇用納付金制度などもあり,障害者の方の雇用が増すことを考えれば,検討に値するのではないかと考えるものであります。御見解をお伺いしたいと存じます。 次に,動物愛護についてお尋ねをいたします。 9月5日付の山陽新聞には,御津町に動物愛護センター着工の記事が出ておりました。2005年4月にオープン予定。動物の放置を取り締まることから愛護へと施策の転換を図る拠点となる。収容棟,愛護館,管理棟,飼育棟等から成り,ペットの犬を自由に散歩できたり,放して遊ばせることができる専用広場も設ける。総事業費が約25億円。中核市の岡山,倉敷で約5億4,000万円の負担。希望者に,犬に加え新たに猫の譲渡も行うというものであります。 そこでまず,中核市の岡山,倉敷の負担分でありますが,どのような経緯で負担が決定されたのか。また,おのおのの負担金の決め方はどのようにされたのかということについてお尋ねをしたいと思います。 さらにこの際,建設負担金の多い少ないということではなく,その後の維持管理費にも及ぶものであるのかどうかということであります。当然,各自治体が一つずつ同様の施設を持つよりは効率的であり,そのことに反意を表するものではなく,今後このような各市町村との箱物の建設分担方式が多くなるようなやり方ではないかと評価する意味からであります。 また,これからは,猫も希望者に譲渡するということでありますが,野良猫や飼い猫につきましていわゆる猫被害の苦情が多いとお聞きいたします。そのような中,センターで,希望者には猫を譲渡する際にも,飼い主がわかるような首輪を必ずつけるような飼い主責任を確立すべきと考えます。猫の自由を奪うのかという声も聞こえてきそうでありますが,動物被害をこうむっている人々は現実に多く存在するわけであり,よその家に勝手に入っていったり,ふん尿被害や植木などの物損事故はだれに問題を転嫁すればよいかわからず,被害者の方が泣き寝入りというケースがよくあるようです。 山梨県では,犬猫の多頭飼育届け出制や,飼い猫の環境に応じての屋内飼育や,猫が屋外に出る場合には首輪と名札の装着等についての努力規定が盛り込まれた動物愛護条例がこの4月から施行されております。動物愛護には賛成でありますが,そこに飼い主責任を明確にしておかなければ,多くの方々に迷惑をかけることになります。県の条例を見ましても,第5条で飼い主の責務,第7条で飼い主の遵守事項をうたっておりますが,努力義務や遵守せよという程度で,厳しく対応するような姿勢は余りお見受けできません。深刻な猫被害や強い飼い主責任につきましてどのような認識やお考えであるのか,保健福祉部長にお伺いいたします。 最後に,不法投棄問題について生活環境部長にお伺いいたします。 先日暑いさなか,地域の方々や振興局の職員の方々にも御同行いただき,不法投棄現場の視察に参りました。現場は,瀬戸中央自動車道の高架が走ったために,そのための管理道を山深くに本四公団が施工し,その沿線沿いが不法投棄のステージになってしまったケースであります。洗濯機やベッド,学習机やバイク等々,夜間人目につかず,車でないと絶対に捨てられないようなものが多くありました。家電リサイクル法の施行された2001年4月以降,処分が有料になった4品目や,粗大ごみの有料化,さらには本年10月1日からは家庭系パソコンの回収リサイクルもスタートするようであります。ちなみに,購入時に3,000円から4,000円のリサイクル費用があらかじめ値段に上乗せされて販売されるそうであります。 このように,時代の流れや行政の施策により,さらに不法投棄が問題化,悪化するような感もありますが,もちろん不法に捨てる人が悪いのであり,当然そちらの方を厳罰に処すべきと考えます。 そこでまず,最近の不法投棄の実態がどうなったか,お尋ねをいたします。 次に,各地方振興局において知事が委嘱している156名の廃棄物適正処理推進員についてでありますが,9つの振興局に割り振っているとはいっても,どう見ても各振興局には20人に満たないような人員であり,充足しているとはとても思えないのであります。監視員の方々の活動を云々指摘するものではなく,少ないという人員の指摘であり,エリアの実態と合致しているかどうか疑問を生じるものであります。 平成12年度の実績を見てみますと,出動回数が2,025回で産廃8件,一廃213件,その他10件で,231件の不法投棄を発見したというようなことであります。この数字はよく発見されている方だと思いますが,実際は,この数倍あるでしょうし,夜間に集中的に捨てに来るというもので,監視員の方々の御労苦に対しましては頭の下がる思いでありますが,夜間の方が問題でありまして,監視員の方々にはなかなかそこまでできない。しかし,せっかくであればもっと監視員の数をふやして対応したら,不法投棄の現状も随分異なってくるのではないでしょうか。このような問題に悩まされている地域の方々へ監視のための腕章などを交付してあげ,ある程度の権限を付与し,地域の皆さんで夜間も監視していただくという制度を創設してはどうでしょうか,御見解をお聞かせください。 さらに,不法投棄の防止策として,不法投棄者の特定をするためにも,悪質なところへは監視カメラの設置や,不法投棄をされた土地の所有者にも罰則規程を設けた条例を作成するなど,大がかりな行政のトラップをかけないと,不法投棄が後を絶たない結果になるというふうに思います。現在,3局で4台の監視カメラを設置しておるそうで,リース方式で月額約24万円の経費がかかるということであります。土地所有者には厳しいようですが,捨てられない工夫や所有者責任や努力義務を課していかないといけないと思います。このように,お金をかけていくことでありますけども,その効果はどうなのか,お尋ねをして,あわせてこのような積極的な行政を実施することに対しまして,どのようなお考えをお持ちなのか,お聞かせを願いたいと思います。 以上で質問を終わります。御答弁よろしくお願いいたします。 ○議長(戸室敦雄君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の蓮岡議員の質問にお答えをいたします。 来年度予算編成の基本的な方針等についてのお尋ねでありますが,厳しい財政状況の中にありましても,夢づくりプランの着実な推進を図っていくためには,限られた財源を最大限有効に活用をしていかなければいけないということでございます。と同時に,現場のことを一番知っておりますのは各部局であるわけでございますので,現場のニーズを的確に把握をして,そして機動的かつ効率的に施策を推進していく,この観点から,各部局における財政運営上の自主性,そしてマネジメント能力を一層高める,このような予算編成システムの改革を行ってまいりたいと考えております。 こういった観点から,来年度の予算編成におきましてただいま決めております方針といたしましては,まず先般策定をいたしました夢づくり政策推進指針2004に基づきます施策の重点化を図っていくこと,また事務的な査定の抜本的簡素化,すなわち財政課が事務的に査定をしておるということが今までございましたが,これを省略するということ,そして事務事業に係ります評価システムの整備を行い拡充をしていくと,こういうことを基本方針といたしまして取り組んでまいりたいと考えております。最終的な予算編成方針につきましては,第3次行財政改革大綱策定にあわせまして,11月にお示しをいたしたいと存じます。 夢づくりプランの予算についてでありますが,本県が持っております陸・海・空の交通基盤や情報基盤などの優位性を生かして,県民の皆様方が真に豊かさを実感できる「快適生活県おかやま」を実現をしていくためには,夢づくりプランを着実に推進していかなければならないということでございまして,そのために必要な予算につきましては,的確に措置をしてまいりたいと存じます。 夢づくりプランを推進するための新規施策等の予算枠でございますが,これも今後,予算編成方針を策定をする中で具体的に決定をしていくこととなるわけでございますが,私といたしましては,昨年度と同規模程度,すなわち産廃税関連を含めまして15億円程度になろうかと存じますが,この程度は確保いたしたいと考えているものであります。 次に,予算決定過程の透明化であります。横浜市の実例を引かれまして,岡山県は見習ったらどうかとお尋ねでございますが,実は,岡山県の予算編成の透明化は,全国的に見ましてもトップクラスで既に実施をしているものであります。と申しますのも,御承知のとおり本県は予算事前審査制を引いておりますので,それにあわせまして,従前から新規施策等を中心といたしまして,1月中旬に予算要求の状況を,2月上旬に1次査定の状況を,2月中旬には2次査定の状況と最終的な当初予算案,これをホームページに掲載をするなど,他県に先んじてもう既に予算編成過程は公表しております。非常に透明性が高くなっております。 第3次行財政改革におきましては,こういった予算編成過程の透明化をさらに推進をいたしたいと私は考えておりまして,そして,県民の皆様方に対しまして説明責任を果たしてまいりたいと,このように考え,一定の新規事業等を対象といたしまして,定量的目標の設定等を内容といたします事前評価システムを整備いたしまして,これを公開をいたしたいと,こういう新しいシステムも考えております。 次に,ボランティア・NPOとの協働事業でございますが,新世紀おかやま夢づくりプランにおきましても,パートナーシップ社会の実現に向けまして目標値を定め,NPO等の育成を推進することといたしております。現在,本県におきましては,お話をいただきました「ユースプラザほっとハート事業」とか,中山間地域協働モデル事業など,さまざまな協働事業を実施をしてきているところでありますが,こういった事業は,NPO等の運営基盤の確立やあるいは活動の活発化にも資するというものでございまして,今後さらに,より幅広い分野で協働事業に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 私も予算編成のたびに,ボランティア・NPOに対します委託事業等をふやすことはできないかと具体的に当局に指示をして,徐々にこの金額,事業数がふえてきているという実情にございます。さらに努力を重ねてまいりたいと存じます。 次に,瀬戸内海国立公園指定70周年記念行事でありますが,本県内での記念行事開催を国の方に対して要望しているところでございまして,現在,国におかれましては,開催時期,場所等について検討しておられるとお聞きをしております。今後,国の方に対しまして,本県での開催をさらに強く働きかけをしてまいりますとともに,国の方とも協調し,県としても一定の事業を実施をすることを念頭に,県事業との役割分担も考えながら,瀬戸内海のすぐれた自然景観の保全はもとより,観光の振興や瀬戸大橋の利用促進にも寄与するものとなるように,そういう観点から検討をしてまいりたいと存じます。 最後に,動物愛護センターへの中核市の負担でありますが,動物の収容処分は,これは中核市の本来業務であります。しかし,単独で施設整備運営をするよりも経費面で効率的であるということから,岡山市,倉敷市両市から県の計画への参画の要望が示されたところでございまして,これを受け,動物愛護センターのうち収容処分に係ります施設の整備費,管理費につきましても,両市も一定の負担を行いながら,県におきまして整備をすることとしたものであります。その負担割合は,人口,犬猫の処分頭数等を基に設定をしたものでございます。 私からの答弁は以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  生活環境部長土井道彦君。   〔 生活環境部長 土井道彦君 登壇 〕 ◎生活環境部長(土井道彦君)  お答えをいたします。 不法投棄の実態についてでありますけれども,廃棄物適正処理推進員の活動実績で見ますと,家電リサイクル法が施行されました平成13年度には,平成12年度の231件から328件と大幅に増加いたしましたけれども,平成14年度には258件と,ほぼ以前の水準に戻っているところでございます。県といたしましては,産業廃棄物処理税の導入を契機に監視体制の強化を図っているところでございまして,今後とも,お話の洗濯機,ベッド,家庭系パソコン等の一般廃棄物について処理責任を有しております市町村と連携を深めながら,不法投棄の防止に努めてまいりたいというふうに考えております。 次に,地域での監視制度についてでございますけれども,本年度から,これまでの不法投棄監視員制度に加えまして,市町村の行う不法投棄監視への補助制度を設けて取り組んでいるところでございます。監視員の増員につきましては,これらの活動状況を見た上で,その必要性を検討することといたしてまいりたいと考えております。 また,お話の地域の方々による監視制度の創設についてでありますが,今年度から,新たに不法投棄110番や農協などとの発見通報体制というものを設けております。こういうものを設けまして,地域における監視体制の充実強化を図っておりますことから,これらを積極的に活用することにより対応してまいりたいというふうに考えております。 次に,積極的な不法投棄防止策についてでございます。監視カメラの設置につきましては,24時間体制で監視ができますことや,移設が容易なために機動的な監視が行えること,さらには設置しているということによりまして不法投棄が抑制されるということ等の効果が期待できると考えております。また,土地所有者への罰則についてでありますけれども,これにつきましては,土地の管理が不十分であることを理由に罰則を科すことは法的に難しいものというふうに考えておりますけれども,投棄者が不明の場合には,所有者に対しても投棄物の撤去を求めるとともに,日常の管理を適正に行うように引き続き指導してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  保健福祉部長宇都宮啓君。   〔 保健福祉部長 宇都宮 啓君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(宇都宮啓君)  お答えいたします。 動物愛護に関しまして,猫被害と飼い主責任についてでございますが,平成14年度に保健所に寄せられました猫に関する相談,苦情件数は,県内で1,237件でございました。そのうち,岡山市で808件,倉敷市で112件と,特に都市部で相談,苦情が多いと認識しておるところでございます。 山梨県の条例のお話がございましたが,岡山県の動物愛護条例では,第9条で特に猫の飼い主の遵守事項が明記されているところでございまして,今後とも,市町村及び関係団体と連携いたしまして,施行後2カ年を経過いたしました本県のこの条例の趣旨,猫の適正な飼い方や飼い主の責務等の一層の周知を図ってまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  土木部長山中義之君。   〔 土木部長 山中義之君 登壇 〕 ◎土木部長(山中義之君)  建設行政についての御質問にお答えをいたします。 まず,入札制度の改善についてでございますが,予定価格の公表につきましては,当初予想された落札価格の高どまりの傾向もなく,また予定価格を探ろうとする不正な動きが防止されるなど,一定の効果があったと考えております。 また,電子入札システムの導入につきましては,入札参加者が入札会場に足を運ぶ必要がなくなり,時間や経費の削減が図られますとともに,発注者も指名や改札結果の通知をインターネットで行うことにより,事務の省力化に効果があったと考えております。 次に,優遇制度についてでございますが,建設工事の入札に当たりましては,公平性,競争性の確保を図る観点から,業者選定を行っているところでございます。障害者雇用やボランティアに積極的な企業を優遇して落札できるというような制度の導入は,難しいところであると考えております。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  5番小倉弘行君。   〔 5番 小倉弘行君 登壇 〕
    ◆5番(小倉弘行君)  自由民主党の小倉弘行でございます。 まず初めに,ことしの4月に初当選をさせていただきまして,この県政檀上に立たせていただいていますことを,後援会の皆様方,そして岡山県民の皆様方に感謝申し上げます。 長引く不況による社会不安,借金体質の行政運営,少子・高齢化問題など,私たちが真剣に取り組み,そして責任を持って解決をしていかなければならない重要な問題が山積みしております。これらの問題は,今までと同じ方法,同じシステムではなかなか解決できない時代になってまいりました。そのために,古い慣習を打破し,新しい考えを取り入れる新社会システムの構築に向け,政治活動を展開してまいりたいと思います。 これからの4年間は,岡山県財政の再建,市町村合併の問題,三位一体の改革,岡山国体など,岡山県にとって非常に重要な時期だと言えます。特に,行財政改革を断行し,財政再建を行っていかなければなりません。それとともに,行財政改革の一環として,議会が率先して議員定数,議員報酬の見直しを行い,議員立案の条例制定,有権者に選ばれてきた県議会議員の意見を岡山県政に反映することができるような議会改革にも取り組んでまいりたいと思います。 それでは,通告により質問に移ります。 教育問題について。 教育問題の中で,私は,特に家庭の中での心の教育が重要であると考えています。心の教育とは,人を尊重すること,物を大切にすること,お金を大切にすること,我慢すること,仕事の大切さを知ること,家庭を大切にすることなど,日本の伝統と文化を大切にした道徳心を養う教育のことだと考えております。 先日,長崎県で起きた幼児殺害事件,沖縄県で起きた暴行殺人事件,東京都で起きた少女監禁事件など,立て続けに起こりました。自分たちの子供がもし被害者になったら,もしかしたら加害者になるかもしれないという,親としては子育てに非常に不安を募らせる事件であったと言えます。これらの事件を例に出すまでもなく,ここ数年,子供たちを取り巻く生活環境は大変厳しいものになっていると言えます。青少年の引きこもり,不登校,いじめ,犯罪の凶悪化,「きれる」子供たちなど,心の教育が抱えている問題は数多くあります。 家庭・地域・学校の連携について。教育の基本は家庭だと考えています。まず,家庭の中で道徳やしつけといった基本的な教育をしっかりしていくべきであります。核家族化の進むこの時代,家庭が孤立しないように,地域や学校と連携を図り,世代間交流,地域間交流をすることにより,人と人の触れ合う社会を構築し,子供をはぐくむ活力ある社会づくりが必要であります。 家庭の教育力の向上について。「子は親を見て育つ」,「子を見れば親がわかる」という言葉があります。子供が生まれて最初に習う教師は親であります。そこで,家庭の教育を基礎として,親が責任を持って子供とともに親自身が学び,ともに成長するという気持ちで,しっかりとした親子のきずなをつくり,信頼ができる家庭を形成していくことが大変重要であると考えます。これらの心の教育が抱える問題は,子供の問題としてとらえるのではなく,社会全体の問題として考え,まず大人が規範を示し,夢と希望を持って目標に向かって生きていく「人生のすばらしさ」を子供たちに伝えていくことが必要であると考えています。 以上が,私が考える子供たちが明るく元気に育つ教育県岡山であると私は考えていますが,そこでお尋ねいたします。 私は教育の中でも,道徳教育を中心とした心の教育を家庭の中で,子供が就学前の小さいときから行うことこそ重要だと考えていますが,知事はいかがお考えでしょうか。 家庭・地域・学校の連携強化についての質問ですが,岡山チャレンジ・ワーク14,青少年奉仕活動・体験活動推進事業が岡山県の主な事業としての取り組みのようでございますが,これらは学校を中心とした事業であり,家庭・地域・学校のそれぞれが独自に事業をしているのに過ぎない印象を受けます。家庭が中心に位置づけられ,家庭だけではできないことを地域や学校がフォローアップするような,家庭・地域・学校のすべてが連携した事業こそが必要であると考えています。また,現在,そのような事業は岡山県において行われていないではないかと思いますが,本県における取り組み状況と今後の方針について,あわせて教育長にお尋ねいたします。 家庭の教育力の向上についての質問です。子育て学習推進事業では,妊娠時,就学時,思春期に合わせて,平成14年度では627講座を実施したところ,目標3万人に対し3万2,000人の参加者がありました。また,子育て支援ネットワーク充実事業では,子育てに関する親たちのネットワーク形成を図る目的で1,160件の事業を行ったとの報告がありました。夢づくり政策評価では,5段階評価のうち3,おおむね目標水準を達成と評価されていました。この政策評価は,目標数値の達成率の評価であり,一つの判断基準としては評価できます。しかし,目標数値の達成率の評価ではなく,事業の目的に合った効果の検証が一番重要だと考えていますが,いかがでしょうか。 そして,こうした評価と検証を踏まえてこそ,教育力の向上がなされているかどうか判断し,次の施策に有効な反映ができるのではないでしょうか。あわせて知事の御所見をお伺いいたします。 また,これらの事業は,参加者が多ければ多いほど事業効果が上がると考えていますが,参加者の募集はどのように行っているのでしょうか。 さらに,こういった事業は,参加した人よりも参加しない人の方が教育に対して意識が低く,そこに問題があるように思いますが,参加していない人に対してどのように取り組んでいくのか,また自主参加ではなくシステム化して家庭の教育力の向上を図ることはできないのでしょうか,あわせて教育長にお尋ねいたします。 行財政改革について。 岡山県は,平成14年度末に1兆1,426億円の県債残高があります。また,起債制限比率は14年度末に18.3%であり,これは全国で一番悪いレベルであります。平成9年に,岡山県が行財政改革大綱を作成し,人件費の削減や公共事業の見直しなどを行った結果,平成15年度までの合計が単年度ベースで557億円の歳出を削減する効果を上げるに至っています。しかし,長引く不況による税収不足が深刻化し,今年度は財源不足が385億円に上り,このままでは財政再建団体に転落してしまう可能性が再び大きくなりました。まさに岡山県の財政は危機的な状況にあると言えます。 そこで,行財政改革の取り組みについて,民間企業での再建策では,利益確保のため,まず変動費の削減を考え,そして危機意識やコスト意識の徹底を職員レベルまで行うことにより,通信費,消耗品費,水道光熱費などのコスト削減を行い,用務のむだがないかどうかを見直していきます。次いで,人件費や設備投資など固定費の削減をし,体制を整備した後に,売り上げの増加を考えます。県では,収入を上げるために新たな税財源を求めていますが,地元企業の活性化,新規企業の開拓,県外企業の誘致による納税者の体質基盤強化を目指すべきだと考えています。そして,納税意識を高めるためには,民間で言う顧客満足度の意識を取り入れ,納税者の納得のいく行政運営や行政サービスが必要だと考えます。 また,水源かん養税などの森林保全を目的とする法定外目的税については,高知県を初めとして島根県,鳥取県,北海道,神奈川県,滋賀県などで検討されています。このうち高知県では,目的税ではなく普通税である県民税均等割の超過課税相当額を,森林保全を目的として設置した基金に繰り入れることで,目的使途を限定する仕組みをつくり,いわゆる森林環境税として本年4月から導入いたしました。全国的に,この税に対して注目が集まっているわけでありますが,だからといって岡山県でこの目的税が必要かどうか,財政が不足するからといってすぐ増税をしようという議論をするのではなく,財政支出で税金のむだ遣いをしていないかどうか,むだな行政サービスや外郭団体の見直し,地方振興局の統廃合の問題,行政の二重構造の解消などを徹底的に一から見直し,それでも足りなければ初めて増税の議論をすべきではないかと考えます。法定外目的税を導入するならば,はやりの水源かん養税など,県民に理解のしづらい使用目的を行政が勝手に決めるのではなく,これは私の案ではございますが,法定外目的税の使用目的を住民投票で決めるような,住民投票目的税といったものを導入できれば,民意が反映され,納税意識が高揚し,選挙と一緒に行うことができれば投票率がアップすることにもつながると思います。 そこで,知事にお尋ねいたします。 財政の予算編成のあり方は,岡山県において,まず予算シーリングによる支出を決める方法ですが,民間経営では,収入に見合ったその枠内で予算を考えることが通常であります。現在の,歳入に見合った予算編成に変えることができないのでしょうか。 また,予算の使い切りですが,各部署が予算が余ると翌年の予算シーリングカットがあり,予算を使い切ると言われています。これを,予算が余ったら次年度に繰り越すことが可能な予算の組み方,また予算を余らせることによって部署の人事評価をするなど,新たな予算の組み方を取り入れてはどうかと考えますが,それについてはどうお考えでしょうか,お聞かせください。 また,今現在の岡山県の借入金をどのくらいまで圧縮する計画を立てるのでしょうか,お聞かせください。 第3次行財政改革大綱について,知事は,民間企業の経営理念や手法を取り入れるニューパブリックマネジメントの考え方を導入されると言われていますが,知事の言われている民間企業の経営理念とは何でしょうか。 また,経営手法とは具体的にどういったものを指すのでしょうか。 人件費を例にとって考えた場合,ラスパイレス指数などの数値目標を設定し,取り組まれる考えはないのでしょうか。 また,民間で取り入れられている思い切った人事考課制度や年俸制度の導入を考えてみてはどうでしょうか,御意見をお聞かせください。 ニューパブリックマネジメントを導入すると言われていましたが,外郭団体の見直しの中に,アウトカム,いわゆる業績成果を重視した意思決定をすることによって,一つ一つの事業について検証し,新たに統廃合をしていくことを盛り込んでみてはどうでしょうか。 水源かん養税のような法定外目的税のあり方について,増税議論の前に行政の見直しが先だと思いますが,いかがでしょうか。 また,私が先ほど申し上げました税の使用目的を住民投票で決める住民投票目的税のような考え方を踏まえ,法定外目的税の取り組みについてどうお考えでしょうか,お聞かせください。 市町村合併における岡山県のリーダーシップについて。 平成12年4月に地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律,いわゆる地方分権一括法が施行され,国から地方へ地方分権を推進していかなければならない時代になりました。道州制,市町村合併,三位一体の改革などがそうです。 市町村合併について,地方分権の推進には,1,地方自治体の行財政基盤の強化。2,住民の価値観の多様化,技術革新の進展などに伴う求められるサービスの多様化高度化に対応するため,専門的で高度な能力を有する職員の育成確保。3,県内におけるほとんどの市町村が危機的な財政状態にあるときに,より効率的な行政運営が求められる中,行政の二重,三重構造を防止することによる財政運営のスリム化。この3つが不可欠であります。 そのためには,岡山県全体から,また広域的な視点で見た合理的かつ理想的な合併の形や進め方が必要であるように考えます。効率のよい行政組織を実践するために,岡山県がリーダーシップを発揮し,協議会で市町村の職員や市町村議会議員定数の削減問題を盛り込み,合併する規模についても適正な市町村合併の形を指導していくべきではないかと考えます。将来的,また国の政策として,この市町村合併の問題は,将来に及ぶ影響や今の危機的な財政状態の解決策として非常に重要な課題であります。高い見識を持ち,将来のことをしっかり考えることができるリーダーが,長所短所を考えながら,責任を持って判断していくべきではないかと考えています。 そこで,知事にお尋ねいたします。 このような状況を踏まえ,今の市町村合併の進行状況に対して,岡山県がどのようにリーダーシップを発揮されるのか,お聞かせください。 また,岡山市,玉野市,灘崎町,御津町が合併すれば,政令指定都市への移行が視野に入ってきます。この問題について,将来の広域行政単位であります中四国州の実現をにらみ,知事は,岡山を中心にしようと主張されておられます。私は,岡山市を,中四国州の州都にふさわしい規模と利便性を兼ね備えた都市にすることによって,岡山市を活性化し,岡山市を中心に元気で活力のある岡山県にすることができるのではないかと考えています。そのためには,岡山市の政令指定都市への移行が不可欠ではないかと考えますが,いかがでしょうか。 また,2市2町が合併し,政令指定都市になるかどうかは,岡山地方振興局の廃止,いわゆる行政の二重構造の解消ということに直結していると思いますし,県から岡山市に対して権限と業務の移譲が行われ,それに伴い技術とノウハウを持った県の職員を岡山市へ移籍することが県としても大きな課題になると思います。岡山市の政令指定都市への移行が県の行政組織,体制にどのように影響し,どの程度スリム化に効果があるとお考えでしょうか,お聞かせください。 総括的に申しまして,私は,これら2つのポイントにより,政令指定都市への移行に向けた2市2町の合併の問題は,岡山県みずからの問題として積極的に取り組むべき課題であり,知事のリーダーシップのもとに,県,市が歩調を合わせて目指すべき目標だと考えていますが,知事はいかがお考えでしょうか,御所見をお伺いいたします。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の小倉議員の質問にお答えをいたします。 まず,教育問題であります。 家庭での心の教育でございますけれども,子供は親子の愛情によるきずなで結ばれた日々の家族との触れ合いの中にありまして,信頼感やあるいは豊かなる情操,思いやりの心,あるいは善悪の判断,基本的な社会生活習慣とかあるいは社会的なマナーなどを身につけていくものでございまして,家庭での教育はすべての教育の出発点であると私はそのように考えております。 家庭の教育力の向上に関しまして,政策評価と事業効果の検証でありますが,御指摘をいただきましたとおり,事業の目的に合った効果の検証が重要であると,このように考えておりますが,ただ,これらの事業の目的であります家庭の教育力の向上,これを単年度で検証をするということは困難であるということから,参加人数を政策評価の指標といたしたものであります。それぞれの事業成果を検証をしていく上で,この参加人数もさることながら,参加者がどう評価をしたかが一番重要でありまして,今後も,参加者の意見の聴取に努め,事業の充実に反映をさせてまいりたいと存じます。また,より参加者をふやしていくために,PR等広報のあり方につきましても検討してまいりたいと存じます。 行財政改革であります。 歳入に見合った予算編成等でありますが,本県の財政は,歳出の中に占める公債費や人件費など義務的な経費の割合が大きいという最大の特徴があります。また同時に,法令等で事業実施が義務づけされているものが非常に多いということなど,今民間との比較を踏まえての御意見がございましたが,民間は事業への参入撤退が自由であるわけでございますが,そういう民間とは異なった行政上の性格の問題もあるということでございまして,歳出を弾力的に縮減できるそういう財政構造とはなっていないところでございまして,現時点におきまして,単純に歳出水準を歳入に合わせるそういう予算編成を行うことは困難でございます。 しかしながら,臨時的歳入対策の財源ということをこの先考えますと,これまでのように歳出に歳入を合わせる手法,これはもうもはや限界であるところでございまして,収支不足の縮減と,そして持続可能なる財政構造の確立のために,第3次行財政改革におきまして,公共事業や人件費の見直しなどに取り組んでまいりたいと,このように存じます。 次に,御指摘のような予算単年度主義の弊害,これに対しましては,職員の意識改革を徹底をいたしたいと存じます。そして,例えば,来年度は一般行政施策につきましてマイナスシーリングにせざるを得ないと考えているところでございますが,各部局がマイナスのシーリングを上回って節減をして要求をした場合にありましては,翌年度以降にその節減分を回す,活用することができる,こういう新しいシステムを導入をするなどいたしまして,予算編成システムの改革を進め,職員の意識改革にもつなげていくようにしてまいりたいと存じます。 借入金の圧縮でありますが,本県財政の主要な構造的問題点は,公債費水準の高さにあるところでございまして,これが将来的にも一層の財政の硬直化や収支圧迫要因となることが懸念されるものであります。このため,公共事業の見直しなどを通じまして,今後,起債額を抑制をしていく必要があると,このように認識をしているわけでございまして,この具体策につきましては,第3次行財政改革大綱の中でお示しをいたしたいと存じます。 ニューパブリックマネジメントでありますが,民間企業の経営理念といたしまして,質の高いサービスの提供によって顧客の満足度を高めるということがあります。また,そのための経営手法といたしまして,業績評価や現場への権限の移譲,市場メカニズムの導入などがございますが,こういった理念や手法を行政運営にも効果的に取り入れをしていかなければならないと,このように考えております。 人件費でありますが,財政再建団体への転落が危惧される状況の中で,人件費の削減を行っていくことも必要であると認識をしております。このことにつきましては,新行財政改革推進委員会からの御提言を踏まえ,第3次行財政改革大綱をまとめていく中で,その内容等につきまして判断をしてまいりたいと存じます。 また,人事考課制度についてでありますが,現在試行中の人事評価制度を着実に導入をいたしたいと考えております。 年俸制度についてでありますが,現行の人事,給与にかかわります地方公務員制度におきましては,一般職員への導入は想定をされておりません。この点につきましては,国の公務員制度改革の動向等を見きわめながら,今後研究をしてまいりたいと存じます。 外郭団体の見直しでありますが,外郭団体の業務の運営が効率的かつ効果的に進められているか否かを評価するためには,お話にございましたとおり,できる限りアウトカムに着目をする必要があると,このように考えておりまして,具体的にどのような取り組みが可能なのか,今後検討を重ねてまいりたいと存じます。 次に,法定外目的税の導入のあり方でございますが,これまで検討を重ねてまいりました水源かん養税は,財政の収支不足を解消することをねらいとしたものではございませんで,税の負担を通じて森林の大切さを県民の皆様方に知っていただくということが第一目的の,いわゆる政策税制であるわけでございます。また,その税収は,森林保全のための新たな施策に活用することとしているものであります。もとより議員御指摘のとおり,行財政改革は全力で進めていかなければならないところでございますけれども,この税は政策推進のための課税自主権の活用という観点から取り組んでいくべき課題であると考えているものであります。 取り組みでありますけれども,目的税における受益と負担の関係から,税の仕組みと税収の使用目的は,これは一体的に検討がされるべきものでございまして,議員御提案のような使用目的だけを住民投票で決定をするということは,これは適当ではないものと,このように私は存じます。 新税を創設し徴税をするということ,これは言うまでもなく公権力の行使であるわけでございまして,県民の皆様に新たな負担を課するものとなるわけでございまして,その創設に当たりましては,当然のことながら県民や県議会の皆様方の御意見を十分にお聞きをした上で,最終的には知事として私自身責任を持って税制案を提案をさせていただきたいと存じます。そして,その提案いたします案を御審議いただくのは,ここにいらっしゃいます県議会の皆様方でございまして,これを住民投票にかけるということはいかがなものかと,私はそのように存じております。 次に,市町村合併についてでございます。 県のリーダーシップでございますが,これまで市町村の自主的主体的な取り組みを基本としながら,より広域的な立場で合併機運の醸成や助言に努めてきたところでございまして,現在,10の地域で法定協議会が設置をされまして,さらに今後幾つかの地域で法定協議会設置の動きがあるなど,県内ほぼ全域にわたって合併についての議論が深まり,前向きな検討が行われるようになってきているものであります。県といたしましては,今度とも現在の合併特例法の期限を踏まえまして,地域の実情に即した助言や,あるいは調整に努めるなど,県といたしましてのリーダーシップを適切に発揮をしてまいりたいと存じます。 次に,政令指定都市に向けた合併についてのお尋ねでございます。 中四国州の州都でありますけれども,この州都をどこにするかにつきまして,本県が中四国州の中心となる資格は十分にあると考えてはおりますが,これにつきましてはさまざまな意見も予想されるところでございまして,今後,道州制導入について幅広く議論を進めていく中で検討をされるべきものであろうと,このように存じます。 州都となるには,地理的な条件のほか,一般的には交通の利便性や情報,産業,文化など各種機能の集積の度合いなどが考慮されるべきと考えておりますが,政令指定都市であることがその必須条件になっているとは必ずしも言えないと,このように存じます。いずれにいたしましても,まず道州制そのものの導入に向けましての国民的な議論を深めていくということが先決問題ではないかと存じます。 県への影響でありますが,岡山市は,現在中核市でありまして,社会福祉,保健衛生,都市計画に関する事務等につきまして,既に権限が大幅に移譲されております。政令指定都市になりますと,これに加え,さらに県管理の国道や県道の管理等の道路関係の事務あるいは児童相談所の設置の権限なども移譲されることとなります。そういうことで,県の組織につきましても一定の影響が出る,当然,職員のその移籍の問題等も出てこようかと存じますが,もう既に中核市,保健所指定都市から中核市になった段階で相当数の権限が移譲されているわけでございまして,さらに政令指定都市になってどうかと言われますと,今までの移譲よりはその割合はやや少なくなるものと,少ない程度のものが,今までの過去の政令指定都市の経緯を見ておりますと予想されるところでございます。そういったことで,一定の影響が出るものとは考えておりますけれども,その具体的な効果につきましては,これは今後の状況を見きわめながら必要に応じまして検討をすると,このようにさせていただきたいと存じます。 さて最後に,政令指定都市への移行に向けた2市2町の合併を,県みずからの課題として積極的に行ってはとの御提言をいただきましたが,今まで当議会におきましては,岡山市内あるいは玉野市内選出の県議会議員の皆様方からはそのような御意見は一回も出たことはございませんで,非常に私は戸惑いを感じながら聞いておったわけでございますが,この問題につきましては,昨年来,県南政令市構想研究会や玉野市議会における研究懇談会,さらには県議会におかれましても,有志による研究会がそれぞれ設置をされまして,さまざまな議論が幅広く展開をされてきているものでございます。 こうした中で,御承知のとおり本年7月,関係2市2町の首長や議会代表,住民代表などで構成をされます任意協議会の県南政令市構想合併協議会が設置をされまして,現在,合併の方式やサービス,負担水準の調整等につきまして議論,検討が始められたところでございます。県といたしましては,そういう状況でございますので,引き続き関係市町の自主的主体的な取り組みを見守ってまいりたいと考えているものでございます。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  教育長宮野正司君。   〔 教育長 宮野正司君 登壇 〕 ◎教育長(宮野正司君)  お答えをいたします。 まず,家庭・地域・学校の連携についてでございますが,子供たちの健やかな成長のためには,家庭・地域・学校が連携を深め,それぞれの役割を果たしながら社会全体で子供を育てていくことが重要でありまして,中でも,お話のように,家庭の果たす役割は大変大きいと考えております。そのため,子育て中の親を対象に,家庭の教育力の向上を目指します子育て学習推進事業では,入学時や参観日での実施に際しましては,地域の方も加わり,自分の子育て経験をもとに助言を行うなど,保護者を支援するため,教師,地域住民の方々が連携して取り組んでおります。今後とも,開かれた学校づくりを進めますとともに,家庭,地域の教育力の充実や連携強化を図る事業を実施し,地域の子供は地域で育てるという機運を高めてまいりたいと存じます。 最後に,事業への参加者についてでございますが,参加者の募集につきましては,お話の2つの事業では,主として市町村の広報誌や学校からの案内等で参加を呼びかけております。 参加しない親への対応についてでございますが,お話のように参加してほしい人が参加してくれないというジレンマを我々も感じております。家庭教育は,本来それぞれの親の責任と自覚にゆだねられる部分が大きく,行政としての関与には限度がございますことから,できるだけ多くの参加者が得られますよう,3歳児,就学時などの健康診断や中学校の入学時など,すべての親が参加することになっております機会をとらえて事業を実施しております。今後とも,できるだけ多くの参加者が得られますよう,開催日時,場所の工夫や広報の充実に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  5番小倉弘行君。   〔 5番 小倉弘行君 登壇 〕 ◆5番(小倉弘行君)  知事並びに教育長,本当にありがたい回答をいただきましたが,ちょっとお聞きしたいことがございまして。 今の岡山県の財政状態,そしてこの予算編成のあり方,借金の先ほどの見解等をあわせまして,財政再建団体に落ちる可能性についてはどうお考えでしょうか。 福岡県の赤池町というところに,規模は違いますけれども財政再建団体に転落した地方自治体がございまして,実際に転落してみますと,公共料金,また公営の施設の利用料金などがおおよそ20%全体的に上がったと。そして,国の補助,県の補助以外の単独事業についてはすべて中止されております。そういった状況を踏まえまして,非常に危惧をしておりますが,その点について,知事の見解をもう一度お聞きいたしたいと思います。 それと,先ほどの政令指定都市に向けた合併についてなんですけれども,今まで選ばれてきた議員の方々もかなり意見を申されていたとは思いますけれども,やはり新たに,私も含めて多数の方々が新人として当選を果たしまして,その人たちの意見も踏まえて,今後,政令指定都市移行に向けた問題について,もう一度意見を聴取していただきたいと思います。 また,地方振興局の廃止の問題等につきまして,その余剰人員についてはどこに行かれることになるのか。地方振興局がもし廃止になったら,そのまま政令指定都市にならない場合,その人材はどこに岡山県の中で反映されていくのか,そういった点についてちょっとお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(戸室敦雄君)  今の再質問をこちらで聞いておりまして,最初の質問と関連があるようですけれども,実際はない部分があるんですね。財政再建団体になることについてというのもそうですし,それから最後の振興局の云々ちゅうものはそうだと思いますが,これは,そういう御意見があったということにとどめさせていただきたいと思います。答弁は,合併問題の意見についてどう思うかということについて,知事の御答弁をお願いいたします。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  再質問にお答えをいたします。 政令指定都市につきましては,先ほど申し上げましたとおり,それぞれの関係市町の自主的かつ主体的な判断,今議論が始まったところでございます,本格的な議論が展開されておられます。その中で,県議会議員の皆様方を含めまして,適切に意見が聴取され,反映をされていくものと,私はそのように期待をしております。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  この際,午後1時40分まで休憩いたします。        午後0時19分休憩   ~~~~~~~~~~~~~~~        午後1時40分再開 ○議長(戸室敦雄君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 29番小田圭一君。   〔 29番 小田圭一君 登壇 〕 ◆29番(小田圭一君)  自由民主党の小田圭一でございます。通告に従い,質問に入らせていただきます。 プロ野球阪神球団が18年ぶりの優勝ということで,地元関西は大フィーバー,星野監督の出身地である岡山県でも,その熱気は冷めやりません。優勝による経済効果も相当なものであろうと期待をされております。 阪神が優勝に向け快進撃を続けていた7月末,奇妙なニュースが話題となりました。千葉県の男性が「阪神優勝」の4文字をロゴとして特許庁に商標を登録申請し,昨年2月に認められていたことが発覚したのであります。特許法上,阪神球団が男性に商標権を持つ分野の関連グッズに「阪神優勝」の文字を印刷する場合には,男性の許可が必要であることが明らかとなりました。慌てた球団は,男性との間で商標の譲渡に関する話し合いを持ち,男性が商標を球団に譲渡することで一たんは合意するかに見えました。しかし,条件面で折り合いがつかず,8月末交渉は決裂,球団は特許庁に登録無効を請求しております。ただ,特許庁が結論を出すまでには約1年かかるとのことであります。また,一昨日の一般質問にもあったとおり,ことし7月には中国企業が農産物に「青森」という商標登録を中国国内で申請したため,青森県が頭を抱えるという事件が報道されました。こうしたことは対岸の火事かと思えば,さにあらず。今月初め,「日本一桃太郎」の商標権を持つ大阪市の菓子製造販売会社が,「桃太郎のきびだんご」を販売する岡山市のお菓子メーカーに対し,商標の差しとめと330万円の損害賠償を求める訴えを岡山地裁に起こしました。 以上の3件は,たまたま近ごろ話題になった事件でありますが,商標権の問題は,これからの時代,次々と新たな問題を巻き起こしていくことは間違いなさそうであります。「ついうっかりしていた」,「そんな商標登録が認められていたとは驚いています」と言ったって,後の祭りであります。 そこで,岡山県内の地名,人名,歴史,伝説などに関する商標権について,県としてもある程度把握し,特許庁や外国の機関への申請内容についても目を光らせておく必要が出てきたように考えますが,県としてのこれまでの体制と今後の対応についてお聞かせをいただきたいと思います。 また,いち早く知的所有権の確認や商標登録をしておかねば,商取引上不利になったり,ビジネスチャンスを逃しかねません。県内企業に対して,特許権や商標登録の積極的申請について,どのような体制でバックアップをしていかれるお考えなのか,以上,あわせて知事にお尋ねをいたします。 次に,児童虐待の問題について知事にお尋ねをいたします。 厚生労働省によりますと,2002年度に全国の児童相談所で虐待の相談を受け,施設に入所させるなどした件数は2万4,195件と過去最高となっております。また,同年度中に児童虐待で死亡した子供の数は42人で,前年より3人ふえました。岡山県下でも,2002年度に県下3つの児童相談所に寄せられた児童虐待相談件数は471件と前年度より54件増加,2000年秋に児童虐待防止法が施行されたにもかかわらずふえ続けております。相談件数がふえた背景には,児童虐待防止法で虐待を発見した者に通告義務が明示され,社会の関心が高まったことがあるようで,やみに隠れる虐待を見逃さないよい傾向だと考えます。しかし,児童相談所が,虐待の恐れのある家庭に立入調査しようとした際,親の拒否により断念するケースが,2002年度半期の状況で2割を占めることが厚生労働省の調査で明らかとなっております。その内容は,施錠されていたり,保護者が強い抵抗を示したりというものであります。児童虐待防止法及び児童福祉法には,強制執行に関する根拠規定がなく,早急な法制化が待たれるところであります。また,立入調査を実施したものについても,保護者が威圧的暴力的態度に出たケースが2割近くに上っております。それでも,相談所が子供の生命の危険を回避するため思い切って家庭内に踏み込んだケースの中には,食べ物を与えられず,やせ細った児童が衰弱死寸前のものもあったとのことであります。 そこで,岡山県の児童相談所では,虐待の相談を受けたものについてどのような対応をとっておられますか。 昨年度立入調査した件数,立ち入りできなかった件数はそれぞれ何件でしょうか。 また,立入調査できなかったものについては,子供の生命を守るため何としても調査し,必要な保護を行わねばならないと思いますが,どのような対処をとられましたか。今後の対応についてもお聞かせください。 一方,児童相談所には,経済的理由から子供を育てられないという相談もふえております。昨年度,県下の児童相談所にはこうした相談が1,200件寄せられました。5年前の2倍という数字であります。不況でリストラされたり,家のローンが払えなくなり,子供を育てる余裕がなくなったというものや,ヤミ金融の取り立てで夜逃げをして,子供を食べさせられないといった悲惨な例もある一方,再婚するのに子供は邪魔,もう子供は要らなくなったといった身勝手なケースも出てきております。 児童相談所では,生活保護制度などの説明をし,入所がやむを得ない場合は乳児院や児童養護施設を紹介しておりますが,入所児童が増加したため,児童養護施設はほぼ満員のものもございます。子供にとって親の愛情は何物にもかえがたいものであり,本来,親元で養育されるのが望ましいとは思いますが,先ほど述べたように,さまざまな理由から親元を離れなくてはならない児童が急増しております。 そこで,乳児院や児童養護施設の整備や人員の増など体制の充実を図らねばならないと考えますが,御所見をお聞かせください。 また,児童養護施設の中には,子供に無理やり労働を強いて告発を受けるというトラブルを起こした施設がございます。子供の福祉向上のため,県として一層の監督が必要と考えますが,児童養護施設に対する指導体制はどのようになっておりますか,お尋ねをいたしたいと思います。 また,親が突然「子供を引き取りたい」と施設にあらわれることがありますが,子供を親元に帰すに当たっては,よほど慎重な対応をお願いいたしたいと思います。県下でも,数年前,母親が施設に預けていた子供を引き取って帰ったところ,新しい父親が子供が自分に懐かないことに腹を立て虐待し,死亡させたという事件がございました。帰宅させる状況の判断とアフターケアが大切と考えます。一時的なものも含め,子供を親元へ帰すに当たってはどのような方針で臨んでおられるのか,お尋ねをいたします。 次に,若年層の雇用問題についてお尋ねをいたします。 経済情勢を反映して,岡山県内の7月の有効求人倍率は0.91と,依然厳しい状況が続いております。中でも,若年層の就職内定率,求人倍率は一層厳しい状況であります。そのため,フリーターとなる若者がふえる傾向にあります。しかし,内閣府が刊行する国民生活白書でも,安易なフリーターの急増に警鐘を鳴らしております。フリーターになると,本人が不利益をこうむるだけでなく,若者の職業能力が高まらないため生産性が低下し,経済成長の制約となり,さらに犯罪が増加し,未婚,晩婚,少子化を深刻化させると述べております。その対策として,白書では,学校が企業と連携し,就業意欲や能力を高めること,失業の長期化を防ぎ,早期に職業紹介を行うことなどを上げております。 そこでまず,職業紹介ということについてお尋ねをいたします。東京都では,自治体による無料職業紹介がことし6月解禁されたことを受け,来年度独自の職業紹介施設「しごとセンター」を創設いたします。これは,一人一人の能力や技術を細かく聞き取り,カウンセリング機能を充実させ,国のハローワークよりきめ細かい対応を目指すものであります。岡山県として,若者の雇用の場確保にどのような努力を行っておられるのか,また東京都のようなハローワークよりきめ細かい職業紹介体制を県として確立されるお考えはないのか,まず知事にお尋ねをいたします。 また,若者のフリーター化する現象を,教育長はどのようにごらんになっておられるのか,御所見をお尋ねいたします。 若者の職業意識を高めるため,全国各地で社会人講師の学校への招聘,生徒のインターンシップ(実習訓練)などが各学校で行われております。岡山県下の各学校での取り組みの成果と,今後のより踏み込んだ展開について,決意と内容を教育長にお尋ねいたします。 鳥取県教育委員会では,ことしの夏休みから,高校生に職業意識を身につけてもらうため,アルバイトの紹介を始めました。これまで,アルバイトは生活が乱れると禁止していた学校が多く,180度の方針転換と言えます。岡山県でもこのぐらいの方針を打ち出す必要があるのではと考えますが,教育長の御所見をお尋ねいたします。 また,教師自身が企業体験をし,就職指導にも生かしてほしいと,他業種に就業体験する試みもなされております。この試みについて,現在までの成果と今後の展開について,教育長にお尋ねをいたします。 最後に,治安対策について警察本部長に質問をいたします。 空き巣や車上荒らし,ひったくりなどの街頭犯罪が多発しており,治安対策の強化を求める声は,今や各種世論調査でも景気対策より上位に顔を出すことも珍しくなくなりました。一方,警察官は,増加する犯罪に忙殺され,空き交番対策や街頭パトロールにまでなかなか手が回らないのが実態のようであります。こうした中,警察の人員不足を部外者の協力で補おうという試みが各地でスタートしております。 警視庁の本所,向島,深川,城東の4署では,業務でマンションなどを訪問するガス検針員に不審者などの情報を通報してもらおうと,ことし7月,東京ガス東部支店と通報システム構築に関する覚書を締結いたしました。4警察署内のガス検針員は95人で,契約している32万5,000世帯をほぼ毎日訪問しており,これまでにもひき逃げ事件を目撃し,犯人検挙に結びついたこともあったそうであります。 また,三重県警は,ことし7月,ヤマト運輸と街頭犯罪を防ぐ協定を結びました。三重県内を走る約600台のヤマト運輸の集配車に「クロネコは街の見張り番」というステッカーを張り,約800人のドライバーも胸に「クロネコ110ばん」のワッペンをつけ,路上で異変に気づいたドライバーにすぐ警察に通報してもらおうというものであります。 このほか,郵便局と協定を結んだ例もございます。 そこで,警察本部長は,これらのような外部の協力を求める方式を,今後,県下に広めていかれるお考えはないのか,あるとすればどのような形で取り組んでいかれるお考えなのか,お尋ねをいたしたいと思います。 治安対策についての2番目は,防犯カメラ設置についてお尋ねをいたします。東京都は,ことし7月,防犯設備の強化などについて,警察や行政,住民の努力規定を定めた,安全・安心まちづくり条例を都議会で可決をいたしました。住民の求めに応じ,警察署長は管轄内の犯罪発生状況など必要な情報を住民に提供するほか,マンション建設で,警察が監視カメラなど犯罪防止設備の設置を建築主に助言できる仕組みが盛り込まれております。都道府県レベルで同様の条例は,既に大阪府や広島県など4つの府県で制定をされております。この条例の制定により,今後商店街や公園など公共の場への防犯カメラの設置が進むと予想されております。長崎の男児誘拐殺人事件で,補導された少年の割り出しに防犯カメラは威力を発揮いたしましたが,プライバシー侵害を危惧する声も一部にはございます。しかし,多発する街頭犯罪の抑止や犯人検挙に防犯カメラが有益であることは論をまちません。 そこでまず,安全・安心まちづくり条例について,本県においても制定を検討すべきかと考えますが,本部長の御所見をお尋ねいたしたいと思います。 次に,防犯カメラの設置について,現在,県下の繁華街などに住民が自主的に設置したものや,道路上に県警が設置しておるものについて,その実態と効果について県警察としてどのように把握しておられるのか。また,今後,街頭犯罪抑止のための設置推進に向け,どういったお考えを持っておられるのか,お尋ねをいたしたいと思います。 この項の3番目は,捜査手法についてお尋ねをいたしたいと思います。 このところの空き巣などの発生数の増加とその手口には,驚くべきものがございます。同じ地区の民家や商店が立て続けにねらわれるのです。Aという集落が一たん空き巣に遭うと,数カ月のうちに5軒も6軒もの家が被害に遭います。次に,Bという集落でも同じことが行なわれ,やがてCという集落に被害が移ってまいります。中には,立て続けに3度も空き巣に入られたという方のお話も直接伺いました。素人が考えても一定の傾向が読み取れます。あらかじめ網を張って犯人を検挙することがなぜできないのかと歯がみする住民の方の声を,大変申しわけなく伺っております。このことについて,本部長はどのような御感想を持たれますか,まずお尋ねいたします。 今日までの侵入盗犯の検挙の実績についてもお答えをいただきたいと思います。 京都府警では,昨年8月,犯罪情報分析室を設置し,これまで各署にまとめられていた犯罪情報を分析室に一元化,性別や年齢,生活圏など約40項目に分類し,データベース化を進めました。犯罪心理学のスペシャリストを採用し,本格的なプロファイリングにも着手したと聞いております。プロファイリングは,犯罪データを分析して犯人像を絞り込み,次の犯行を予測するアメリカ連邦捜査局(FBI)が得意とする捜査手法であります。 京都府警では,犯罪情報分析室を設置し,犯罪分析結果の情報提供をした結果,一昨年500件だったひったくりの検挙数が,昨年は1,107件とたちまち倍増,検挙率も全国平均の34.8%を大きく上回る60.7%にまで達しました。さらに今年に入って街頭犯罪の発生そのものが1割近く減少するなど,犯罪予防でも実績を上げております。つかまる可能性が大きいとなれば,犯罪を起こしにくくなると言えるのではないでしょうか。そこで,この京都府警の捜査手法を本県にも導入すべきと考えますが,警察本部長の御所見をお聞かせいただきたいと思います。 私の質問は以上でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。ありがとうございました。 ○議長(戸室敦雄君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の小田圭一議員の質問にお答えを申し上げます。 商標権等についてであります。 体制と今後の対応についてでありますが,テクノサポート岡山にございます社団法人発明協会岡山県支部におきまして,商標や特許等に関する登録情報の検索や出願の指導等を行っております。また,日本貿易振興会におきましては,海外の知的財産に関する調査や情報提供を行っておられます。県といたしましては,県内企業に対しまして,こういった支援の仕組みにつきまして,普及啓発を引き続き行ってまいりたいと存じます。 県内企業のバックアップでありますが,発明協会岡山県支部には,商標や特許等の出願アドバイザーが配置をされておりまして,県内企業に対しまして支援を行っております。また,県では,本年度新たに弁理士によります商標権等の取得相談会の開催を予定をしているところでありまして,今後とも,発明協会と連携をしながら,県内企業の商標権等の取得の支援に努めてまいりたいと存じます。 次に,児童虐待の問題でございます。 虐待相談への対応でありますが,子供虐待防止専門本部の3カ所の地域支部の児童相談所に設置をいたしました子ども救援隊が,直ちに周辺調査を行って,そして緊急度が高いと判断をした事例につきましては立入調査を実施をして,そして必要に応じまして児童の一時保護を行っております。それ以外の事例につきましては,保護者等に対しまして虐待である旨を認識をさせた上で,関係機関の連携によって,虐待が行われないように,環境改善についての支援を行っております。 立入調査でありますが,昨年度,児童相談所で実施をした立入調査は,総数で20件,そのうち立ち入りができなかったものは5件でありました。立ち入りができなかった事例への対処でありますが,警察や祖父母等親族の協力を得まして再度立入調査を行ったり,自宅以外で児童と接触をするなど,まず児童の安否を確認をし,必要に応じまして一時保護を行っているものであります。 今年度は,保健師をメンバーに入れました子ども救援隊の設置によりまして,家庭訪問,あるいは市町村との連携が円滑に行われるようになりまして,そのことから,この5カ月間の立入調査13件は,すべて立入調査ができております。今後とも,児童虐待からの子供の保護を一層推進をしてまいりたいと,このように考えておりますが,そういったことで,この子ども救援隊が現地で非常にうまく機能しておるということが数字的にも出ていると思います。 体制の整備充実でありますが,県内の1乳児院,12児童養護施設におきまして,入所児童数はやや増加傾向にありまして,ほぼ満員となっている施設もありますが,しかし県全体で見ますと,あと150人ほど受け入れが可能であります。しかし,虐待を受けた児童に対しましては,心理療法や信頼関係に基づく個別支援が必要となることから,県では心理療法担当職員や個別対応職員の配置を促進いたしますとともに,国の方に対しまして職員配置基準の見直し等を要望しております。今後とも,ニーズに合った人員の確保に努めてまいりたいと存じます。 児童養護施設に対する指導体制でありますが,年1回地方振興局が実地検査を行って,必要な指導を行っております。お話のあった事件を受けまして,昨年からは児童相談所職員が同行をいたしまして,児童の処遇の状況を重点的に検査をしております。さらに,必要に応じまして,随時,検査や改善指導も行っているところであります。これからも,入所児童の福祉の向上のために,児童養護施設に対しまして適切なる指導を行ってまいりたいと存じます。 親元へ帰す方針でありますが,児童の家庭復帰への気持ちや恐怖心の有無,保護者の状況や家庭の受け入れ体制,再発のおそれ等を総合的に勘案をいたしました上で家庭復帰をさせますとともに,児童福祉司等が継続的に保護者の指導を行うこととしております。本年度は,モデル事業といたしまして,保健所の保健師によりますフォローアップ事業を実施をすることとしておりまして,今後は,この事業の結果を踏まえて,被虐待児の家庭復帰支援を適切に推進をしてまいりたいと存じます。保健所の保健師さんが非常に有効に機能しているということが,データとして得られているものでございます。 最後に,若者の雇用問題でございます。 職業紹介体制等でありますが,若年者の雇用情勢が厳しいことから,就職面接会の開催,緊急雇用開発推進員等によります求人開拓,企業等に対する採用枠の拡大要請等を行ってきたものであります。 お話の県独自の職業紹介施設についてでありますが,これにつきましては,ことし6月に職業安定法が一部改正をされまして,来年3月から地方公共団体で無料職業紹介が行えることになったところでございますが,しかし,現時点におきましては,紹介できる対象者の範囲等一番肝心な点が定まっておりません。したがいまして,これからの国が出されますその方針,動向というものを見守ってまいりたいと存じます。議員が御紹介になりました都の事例につきましても,そういう意味でまだ具体化がされているものではございません。構想の段階だとお聞きしております。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  教育長宮野正司君。   〔 教育長 宮野正司君 登壇 〕 ◎教育長(宮野正司君)  お答えをいたします。 まず,若者のフリーター化についてでございますが,昨今のフリーター化の増加は,雇用形態の多様化といった企業側の事情もございますが,若者の就職や職業に対する目的意識の希薄化がこうした傾向を助長していると考えております。このため,早い時期から,望ましい勤労観,職業観を育てることが大切でありますので,県教育委員会では,今年度新たに,高校の全学年の生徒を対象に,企業の採用担当者の話を直接聞く「高校生のためのジョブフェア」を開催したところであります。また,高等学校では,経験豊かな社会人の講演や,卒業生との懇談会,企業の見学や就業体験を行うなど,3年間を見通した計画的組織的な指導の充実に努めているところでございます。 次に,社会人講師の招聘などの成果と展開についてでございますが,昨年度実施された社会人講師活用は714講座でありまして,社会人が持つすぐれた知識や技術,幅広い経験を生かした実践的な授業等が行われ,生徒の職業観の育成に大変役に立っております。また,生徒のインターンシップにつきましては,昨年度公立高校26校が実施し,実体験を通しての仕事の厳しさ,働くことの意義などを学び,進路意識の高揚につながっております。 今後,社会人講師の招聘を,当面1,000講座を目標に充実いたしますとともに,インターンシップにつきましては,夏休みなど継続的に取り組んだ生徒には,その成果を学校の単位として認定する制度を本年度6校が実施しておりますが,これを拡充させるなどして,生徒が自分にふさわしい職業を主体的に選択し,自己実現に向けて果敢に挑戦していく力を身につけるよう指導してまいりたいと存じます。 次に,アルバイトの紹介についてでございますが,職場で実際に働くことの厳しさや楽しさを学ぶことにより,主体的な職業選択の一助になるなど,近年アルバイトに積極的な意義を見出す意見がふえてきております。一方,従来から,学業の妨げになる,生活が乱れる,さらにはアルバイトの方が気楽であるとしてフリーター化を助長しかねないといった実態を踏まえた意見も根強くございます。こうした両論が並立している中で,鳥取県教育委員会が,従来からのアルバイト原則禁止などの形態を残しながら新たに実施している試みにつきまして,注視をしているところであります。県教育委員会といたしましては,現在,高校生の進路意識の高揚を図るため,インターンシップや企業訪問,企業説明会などの充実に努めているところでありまして,今後,鳥取県の成果やPTAの意向を踏まえながら研究してまいりたいと存じます。 最後に,教師の企業体験についてでございますが,派遣した教員からは,「研修で学んだ企業の厳しさを子供たちの指導に生かしていきたい」とか,「コミュニケーション能力,企画力や実行力など,企業が求めている能力を直接知ることができ,この経験を生徒の就職指導にも役立てたい」などの感想が寄せられ,教員の視野の拡大や意識改革に加えまして,生徒の就職指導にも生きる研修として成果を上げております。今後,多くの高校生が希望する職種や,著しい成長が期待できる企業への派遣などを検討し,この研修が生徒の就職指導にも生かせるよう配慮してまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  警察本部長篠原渉君。   〔 警察本部長 篠原 渉君 登壇 〕 ◎警察本部長(篠原渉君)  小田議員の御質問にお答えをいたします。 まず,警察と部外との連携についてでありますが,最近におけます刑法犯罪の増加傾向に歯どめをかけるためには,それぞれの地域で活動し,その実情にも精通されている部外の方々との連携は極めて重要と考えているところであります。当県におきましても,既に,郵便局や新聞販売店等とネットワークを構築したり,コンビニエンスストアなどの深夜営業店を犯罪・事故110番の店として協力をお願いするなどして,不審者情報等を連絡していただくなど,部外との連携を図りながら地域ぐるみの犯罪抑止対策を推進しているところであります。今後とも,これら部外の方々との連携の輪を一層広げ,地域の安全確保に努めてまいりたいと考えております。 次に,安全・安心まちづくり条例についてであります。本年2月,「新世紀おかやま夢づくりプラン」の一環として,犯罪の抑止に配慮した環境整備等を進めるために,岡山県安全・安心まちづくり推進協議会が設立されまして,これに呼応いたしまして,現在県下各警察署管内におきましても,同様に,市町村等関係機関,団体と連携した推進協議会の設立が進められているところであります。また,大半の市町村におきましては,既にいわゆる生活安全条例も制定されているところでありまして,今後,協議会等の活動の状況等も踏まえながら,条例の制定につきましては判断していく必要があるものと考えているところであります。 次に,防犯カメラの設置についてであります。防犯カメラにつきましては,商店街,地下街,駐車場など,公的あるいは私的な場所にさまざまな形態で多数設置されている実態にあると承知いたしているところであります。また,効果につきましても,カメラの設置により犯罪が減少したり,犯人の検挙につながる事例も見られるところでありまして,一定の効果があるものと考えているところであります。 県警察では,本年度,防犯カメラなどのついたいわゆるスーパー防犯灯を設置いたしまして,街頭犯罪の抑止に活用を図ることといたしておりますが,今後の防犯カメラの設置につきましては,犯罪の実態等を踏まえ,プライバシーの保護等にも配慮しながら,その必要性について判断してまいりたいと考えております。 最後に,捜査手法についてであります。連続的に発生している侵入盗につきましては,発生実態の分析に基づき,よう撃捜査や合同共同捜査等を積極的に実施しているところでありますが,残念ながら検挙に至っていない事件もあるところであります。したがいまして,今後,さらに犯行手口の緻密な分析や捜査資機材の効果的活用など,あらゆる捜査手法を駆使いたしますとともに,必要な捜査体制を組むなどいたしまして検挙に努めてまいりたいと考えておりますので,御理解を賜りたいと思います。 なお,本年の検挙の実績についてでありますが,8月末現在,侵入盗の検挙率は,前年同期に比べまして約8ポイント増の32%でありまして,全国平均30%は上回っている状況であります。 また,お話のありました捜査手法としての犯罪者プロファイリングにつきましては,現在,データベースの構築や運用のあり方につきまして研究をしている段階であり,今後,他府県の状況も参考としながら,さらに検討を進めてまいりたいと考えているところであります。 以上であります。 ○議長(戸室敦雄君)  28番伊藤文夫君。   〔 28番 伊藤文夫君 登壇 〕 ◆28番(伊藤文夫君)  自由民主党の伊藤文夫でございます。 午前中の小倉議員の質問と大分重複しておりまして,答弁が先にありまして,後から質問するようなことで,そういった感もあります。通告をいたしておりますので,お許しいただきたいと思います。 本日は,第3次行財政改革大綱の策定を前に,大詰めを迎えております新行財政改革推進委員会の審議の状況に関連して,知事のお考えをお伺いいたします。 地方自治体である岡山県が改革を進めるに当たっては,国の制度や法律,慣例等の改革が進まなければ大きな制約となるわけで,国の改革が遅々として進まない中での県の改革ですから,知事初め県職員関係者の皆様の御苦労のほどが推察いたされます。また,大綱発表前でありますので,お答えにくい点は,そうおっしゃっていただければ決して「答弁漏れ」などとは申し上げませんので,よろしくお願いいたします。 それでは,まず最初の質問であります。知事は,第3次行財政改革に向けて,県職員関係者の意識改革をどのように進めるおつもりか,決意のほどをお尋ねいたします。 私は,過去2次にわたる行財政改革の中で一番欠けていたものは,私も含めて県職員関係者の改革に取り組む意識の改革ではなかったかと思います。 平成11年11月の第2次行財政改革大綱発表のころには,岡山県は財政再建団体転落の寸前でありましたが,大規模事業の見直しや県職員の削減,財政健全化債の活用等々によって何とか救われ,起債制限比率の改善も見られるなど,一時は,知事から「綱渡り財政の綱が最近大分太くなってきた」との言葉も聞かれるようになっていました。 ところが,昨年あたりから予算編成に当たって200億円不足するとか,来年度は171億円不足するとか言われるように,今回の第3次改革の必要性も,こうした歳入不足により財政状況の厳しさが依然として続いていることがその発端であります。 新行財政改革推進委員会の中で,1次,2次の改革大綱は,いずれも5年後には景気が回復するとの考えで策定されていると,その甘さが指摘されています。国の見通しもそうであったとはいえ,民間では,この時期景気回復を期待して経営に当たっていた会社は,今ではほとんど姿を消しています。また,大規模事業の再開をしたことも時期尚早であったのではとの指摘もありますが,推進委員会の議論の中で目を引きますものは,財政再建団体へ転落した場合,「何がどう困るのか」とか,「県が再建団体になると国が再建してくれるので,借金返済が早く進むのならその方がよいのではないか」との議論があったことです。私は,こうした発言は,改革に取り組む県の認識の甘さに推進委員の皆さんがいら立ちを感じているあかしではないかと思っております。 知事は,今議会の提案説明の中で,「市町村合併の進展を踏まえた地方振興局の再編を初め,あらゆる歳出を聖域なく見直すことにより大胆な削減を行い,当面の収支不足の解消と持続可能な財政構造への転換を図る」云々と決意を示しておられます。 一方,推進委員会の方も,9月1日には第6回目の審議を終えられて,そろそろ提言に向けての意見のとりまとめをされているようでありますが,県職員関係者に関しての意識改革には余り触れられていないように思います。推進委員会の中では,若干この点に触れられた発言もあったようですが,県側からの発言の中にはほとんど見当たりません。 推進委員会の中での議論はおおむね妥当なものばかりであり,大綱の策定に当たっては,優秀な県の職員の皆様ですから,それなりにすばらしい内容のものがつくられると思います。しかし,再建団体転落回避のためだけのつじつま合わせの改革であったり,県職員の意識が変わらず,根本的な改革がなされないのであれば,なるほど推進委員会の御指摘のとおり,再建団体となって国の手をかりた方が早く改善されるかもしれません。 いずれにいたしましても,改革ということは今までやってきたことを否定することから始まります。いわゆる,スクラップ・アンド・ビルドであります。従来のままの発想では,新たなスクラップの視点を見出すことは難しいのであります。一方で,岡山県の実情を一番よく知っておられるのは,県職員の皆さん方であります。また,政策遂行能力を持っておられるのも職員の皆さんであります。これ以上の財政悪化は県民に対して許されないことでありますから,県職員関係者の皆様には195万県民の幸せのために仕事をしていることに誇りを持っていただきながら,間もなく発表される第3次改革大綱を指針として,財政状況の変化にも対応できる改革に向けて頑張っていただきたいと思います。 知事にはまず,県職員関係者の先頭で意識改革の旗を振っていただきたいのであります。今回は人事評価システム等々どうするかというようなやぼな具体論は申し上げるつもりはありません。精神論であります。知事はいろいろとキャッチフレーズがお得意でありまして,今議会の提案説明の中でも,「新世紀おかやまを切り拓く人づくり」という言葉がありましたが,これを意識改革の視点で申し上げますと,やる気のある職員を育てることだと私は受けとめております。知事には,第3次行財政改革の推進に当たって,職員の意識改革についてどのようにお考えか,また意識改革に向けた決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。 次に,過去2回の行財政改革の反省と,今回の大綱策定に当たってその反省をどのように生かされるおつもりか,知事にお伺いいたします。 過去2回の改革では,事務事業の見直し,職員定数の削減や外郭団体の見直し等を中心に,平成9年度以来一般財源ベースで557億円の改善を見ていますが,一方で多くの反省点もあります。第3次行財政改革推進委員会の議論の中でも多く触れられており,幾つかを紹介させていただきますと,前にも述べました「過去2回の改革は,それが終了する5年後には景気が回復することを前提としていた」とか,「大規模事業を再開したのが時期尚早であったのでは」とか,「人件費に関しては職員定数だけでは不十分で,一般職員の給与削減が必要である」とか,また外郭団体のあり方について問題点等々の数々の指摘等があり,納得のいくものがほとんどでありました。 知事は,今議会の提案説明の中で,先ほども触れましたが,「簡素で効率的な行政システムを構築し,真に自立した行財政運営が行える団体となるよう頑張る」との発言をされておられますが,私は,岡山県が経済状況の変化に耐えられるような団体となっていただきたいと思っています。自立を目指すということは,うがった見方をすれば,財政再建団体に転落することを阻止するという意味だけにでもとられます。過去2回の改革と同じ経過をたどるのではないかと懸念するのであります。当面の転落回避策ばかりに終始していたのでは,いつまでたっても県債発行に頼った財政運営からの脱却は困難なのではないかと思います。知事は,今回の改革に当たって,借金体質からの脱却,例えば今後トータルで負債額をふやさない等の決意がおありかどうか,まずお尋ねいたします。 また,歳入と歳出の関係で,来年度も171億円の収入不足が発生すると言われておりますが,さきに申し上げました経済状態の変化に対応できる岡山県となるためには,予算編成のあり方を各部局からの要求を積み上げる方式ではなく,収入から逆に歳出を決めていく方式に変える必要があると指摘されている議員もおられますが,私もできることであればぜひそうすべきだと考えています。知事には,予算編成方式について,歳出の積み上げ方式ではなく,歳入から逆に歳出を考える方式に改めることが技術的に可能であるかどうか,お教えください。 また,可能な場合,将来そうした取り組みをされる気持ちがあるかどうか,また不可能な場合,一番大きな障害となるものは何か,お答えください。 財政運営を健全な形にするには,資金繰りと県債の償還能力を高めることが必要だと思いますが,そこが県の一番困っている点でもあり,もはや人件費に手をつけずに抜本的な解決はできないと言われております。一方で,人件費を削るだけでこの問題に対応することは,県職員関係者の意欲をそぐことにもなりかねません。そこで,人件費に手をつける場合,財政運営上,一定の成果が上がれば職員の給与をもとに戻すようなルールづくりはできないものかどうか,知事はこの点どのようにお考えか,お聞かせください。 次に3点目として,地方振興局の再編の問題についてお尋ねいたします。 振興局再編の問題では,6月議会でもいろいろと議論されてきましたが,代表質問の初日の後,記者団に対して知事は,9つある振興局を半分ぐらいにしたいとの考えを示され,振興局の数は奇数なので割り切れない,4つになるのではといろいろな数の論議がされるようになりました。このことについて,改革推進委員会や議員の中より,まだ審議中なのに「こうした発言は慎重に」との声も上がっております。振興局をどうするかという問題は,職員削減等県庁内部の人にとっては大変な関心事であります。今回の行政改革の目玉でもありますので,私は,知事がちょっとアドバルーンを上げて周囲の様子を偵察されたのではないかと考えています。 そこで,私も振興局の数の議論に加わらせていただきと思い,質問いたします。私は,振興局は基本的に全廃される方がよいと考えています。現在,国では,国,県,市町村という行政の三重構造を改めるため,地方分権や市町村合併などを進めているわけですが,振興局制度は,県行政の二重構造であると思います。確かに,県民の皆さんの近いところできめ細かな行政を行うためには必要な面はあると思いますが,県財政の危機的状況とは引きかえにできないと思いますし,振興局制度のできた30年前とは社会情勢も大きく変わってきています。そこで,私は,全廃することを前提として,どのような問題が生じるかを論じた上で,その対応策として必要であれば,新たに手軽な制度を構築するべきであると思います。確かに,保健所や土木・農林行政は幾つかの問題点が出てくるでしょう。8月20日に行われました第5回行財政改革推進委員会は,各市町村長からの意見聴取の日で,各首長さんからは次のような意見が出されております。1,現在,市町村はレベルアップしていて,振興局の役目は少ない。思い切って見直すべきだ。2,市では,電気,機械,建築の専門職を配置しており,権限移譲を積極的に進めて,任せてもらえば責任を持ってやる。3,県庁,振興局,市町村といった三重構造になっているここを見直せば人の削減につながる。4,市町村も改革を進めている立場から,県の行政改革を受け入れる。5,振興局制度ができて30年近くなるが,高速道路網の整備やIT化が進み,状況は全く変わっている。3分の1ぐらいにすべきだ等,ほとんどが廃止をすべき,または廃止を容認するとの意見でありました。 そこで,この項の冒頭で申し上げましたように,振興局を全廃することを前提として,ゼロから必要なものを積み上げていく考えについて,知事はいかがお考えでしょうか。もし全廃すれば,どのような点が問題とお考えでしょうか。行革推進委員会での議論も終結していない今の段階で,お答えはしにくいかもしれませんが,決まってからでは間に合いません。お気持ちなり感想なりお聞かせください。 次に,最後の質問でありますが,県の2次にわたる行政改革の中で,その目玉の一つであった大規模事業の見直しについてその後どうなっているのか,また市町村との関係で問題が生じていないか,お尋ねいたします。 平成9年11月の第1次行財政改革大綱の発表のときには,17の大規模事業が凍結となり,11年11月の第2次大綱では,そのうち10事業が白紙化,抜本見直し,縮小,延期がそれぞれ2事業,その他が1事業となっております。白紙化となった10事業の中で,用地等を先行して取得したものもあるようですが,その後活用の方法等検討されたことがあるのかどうか,あれば教えていただきたいと思います。 次に,縮小,延期となった事業のうち,総合教育研修機関や渋川青年の家等未着工の事業について,今後どのように対応されるおつもりか,お尋ねいたします。 また,抜本見直しとなっておりました事業のうち,岡山県西部アグリスポーツ公園についてお尋ねいたします。この事業につきましては,縮小してやるとの方針が出て,岡山国体の青年女子バスケットの会場となることもあり,現在,笠岡市において体育館の建設がなされており,県においては本年度陸上競技場の整備に着手したと聞いておりますが,再開に当たって,地元市との調整の中で,負担割合の変更がなされております。すなわち,当初県が7割,市が3割ということであったものが,6.5対3.5と市の負担割合がふやされているのです。また,完成後の維持管理費の負担についても,「市が負担する」との念書を取りつけています。 事業の途中で県と市の負担割合を変えるということは,共同事業を行う上でパートナーとしての信頼を失うことになるのではないかと思います。地方分権を進める中で,国と県と市町村が対等平等の立場で協力して行政を進める時代には,それなりの信頼関係を保つべきだと思いますが,知事にはどのようにお考えでしょうか。 以下,要望となりますが,財政が厳しい中,改革を進めれば,まだまだこうした問題が生じてくるかもしれませんが,市町村にとっても財政問題は大変なことであります。笠岡市の話ですと,県の説明では,この事業の維持費については年四,五千万円であるからとのことであったので念書を書いたとのことですが,後で独自にコンサルタントで見積もりをしたら,倍ぐらいかかるということであります。 財政難の中で,県職員の皆さんが経費節減のための方策をいろいろと模索していることはよくわかりますが,今は地方分権の時代であります。市町村との話し合いは対等平等,協力の関係の中で行われるべきだと思いますので,今後はこうした視点を強く認識して行政運営をしていただきたいのであります。知事にはこの点よろしく御配慮をお願いして,質問を終わらせていただきます。 ○議長(戸室敦雄君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の伊藤議員の質問にお答えをいたします。 行財政改革を推進するに当たりましては,職員の意識改革が最も重要な点でございます。私みずから,全職員に対しまして,理解と協力をいただきたいということでメッセージを発しているところでございます。さらに所属長等を集めた会議等におきまして,全職員に対し,さらに行財政改革をみずからのこととしてとらえてほしいということを強く指示をしているものでございます。今後,第3次大綱の取りまとめ,あるいは大綱に沿いました行財政改革を推進をするに当たりましても,私自身が先頭に立ちまして,職員と一丸となって取り組みを進めるべく,今後とも,なお一層の職員の意識改革を促すように取り組んでまいりたいと考えております。 借金体質からの脱却の決意でありますが,本県財政は,財政健全化債や退職手当債といった臨時の起債で毎年度の収支不足を穴埋めする体質が定着をしているということ,国の地方財政対策によります赤字地方債の発行等に伴います起債残高が増大をしていることなど,地方債発行に係る構造的な問題点を抱えているものであります。このため,人件費を初めあらゆる歳出を見直しをいたしまして,収支不足を縮減をしていくということのほか,公共事業等の起債事業を見直しをすることによりまして,可能な限り起債額を抑制する,そういう必要があると考えておりまして,具体的なその方策につきましては,第3次行財政改革大綱をとりまとめをする中でお示しをいたしたいと考えております。 歳入重視の予算編成についてでありますが,本県財政は,歳出の中に占める公債費や人件費など義務的な経費の割合が大きいということに加え,法令等で事業実施の義務づけがあるなど,行政の性格上の問題もございまして,歳出を弾力的に縮減できる財政構造とはなっておりません。したがいまして,現状で単純に歳出水準を歳入に合わせるような予算編成を行うということは,以上の理由により困難であると考えております。 しかしながら,臨時的歳入対策の財源ということを考えてみますと,これまでのように歳出に歳入を合わせるそういう手法は,これはもはや限界に来ているということでございまして,収支不足の縮減,それと持続可能なる財政構造の確立のために,第3事行財政改革におきまして,公共事業や人件費の見直しなどに取り組んでまいりたいと考えているところであります。 人件費削減の際のルールについてでありますが,財政再建団体への転落が危惧される状況の中にありまして,人件費の削減を行っていくことも必要であると認識をしているところでございまして,新行財政改革推進委員会からの御提言を踏まえ,第3次行財政改革大綱をお示ししていく中で,御提案いただきましたそのルールの点も含めまして,具体的な内容等につきまして判断をしていくこととしたいと存じます。 地方振興局の再編でありますが,議員は地方振興局を全廃をすべきとの御意見でございましたが,地方分権の進展や市町村合併の状況を踏まえまして,さまざまな視点から検討をして,思い切った見直しを行っていく,このことは必要であると私も考えております。 御承知のとおり,現在の地方振興局の機能ということで分析をいたしますと,地域に密着をした総合的かつ効率的な行政を推進していくという機能がございます。とともに,税務,保健福祉,農林水産,土木などの県事業の地域における現地の執行機関としての機能も有しているということでございまして,逆に言えば,いざ災害等が発生した場合には,その現地の機関が即座に対応していくという大変重要な機能もあわせ持っているところでございます。これらの県事業を迅速かつ的確に進めていくためには,地方振興局を廃止することによってすべての事務を本庁で一括処理するということは困難であるということでございまして,今申し上げましたような点も十分勘案をしながら,地方振興局の見直しは思い切ったものを進めていかなければならないと,このように考えているものでございます。 次に,大規模事業の見直しでありますが,白紙化事業に係る用地等の活用でありますが,土地開発公社等に先行取得させた用地等につきましては,交付税措置がある起債とか土地開発基金を活用いたしまして買い戻し,公園や県施設の駐車場として活用したり,公益法人等へ売却するなどの処理策を講じてきております。今後とも,これらの用地等につきましては,優先的に公共性公益性の高い利活用を図って,それが困難な場合におきましては,民間への売却も検討してまいりたいと存じます。 未着工事業の今後の方針でありますが,大規模事業は,後年度への財政負担の影響が大きいということから,多額の収支不足を抱える現下の財政事情というものを考えますと,基本的には早期の事業化は困難でございまして,当面,現有施設の維持補修等によって対応せざるを得ないと,このように考えているところでございますが,具体的な問題につきましては,その時々の財政状況等を勘案いたしまして,個々の事業ごとにさまざまな事情もございます,検討をしていくということにいたしたいと存じます。 最後に,西部アグリスポーツ公園についてでございます。 県と市の信頼関係といったことで厳しい御指摘をちょうだいをいたしたところでございますが,御案内のとおり,事業の再開に当たりましては,県と笠岡市は十分なる協議調整を図ってきたものでございまして,それをもとに計画を抜本的に見直しをしていこう,そしてその際,県は陸上競技場を中心とするスポーツ施設を整備いたしまして,そのかわりセンタープラザや宿泊研修施設等の整備は取りやめをさせていただきたい,また笠岡市におかれましては,体育館の建設費を節減をするということで,双方の事業費の縮減を図ったということでございます。それぞれが行う事業をそれぞれ縮減をしたということで,その結果,御指摘にございましたように,県と市の事業費の割合が,72対28だったものが65対35ということに相なったという,その結果として生じたものでございます。 維持管理費が相当かかるとの御指摘がございましたが,やはり体育館を市の方で管理されることになりますと,相当な管理費もかかるということも,ある程度これは仕方ないものがあろうかと思っておりますが,いずれにいたしましても,今後とも笠岡市と十分な連携のもとでこれらの事業を進めてまいりたいと,このように考えております。笠岡市との信頼関係は十分保ってやってまいりたいと考えておりますので,ぜひ御理解を賜りたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  2番増川英一君。   〔 2番 増川英一君 登壇 〕 ◆2番(増川英一君)  皆さんこんにちは。公明党新人の増川英一でございます。初登壇させていただきます。よろしくお願いします。 私は,今議会でも何度か話題になりましたシニアスクールの取り組みで有名になりました,母校でもあります岡山市岡輝中学校ですが,私の地元の話でございます。地元のことが議会で出ましてうれしく思っておりまして,少し触れてみますと,60歳以上の高齢者の方々がお元気に中学校に通っていただいております。町内会長をしております私の父親も,1期生として入学をしております。担任の先生もいます。また,10月からは,生徒と同じ学校給食も食べていただくことになっております。また,皆さん御自身の向学心で入学されながらも,温かい心で子供たちに接していただいており,地域の方々,シニアの方々に,大変ありがたく,感謝の気持ちでいっぱいでございます。また,ぜひ知事も,また教育長もお越しいただき,授業に参加していただきたいと思いますので,どうかよろしくお願いを申し上げます。 私も,その企画する地域学校協議会の一員として参加させていただいておりまして,地域に開かれた学校づくりの姿がさらに広がっていくことを願っております。また,私自身,こういったシニアの皆様にお世話になりながら,そしてこれまでお世話になったすべての皆様に感謝をしながら,これからまた本日も懸命に質問をさせていただきたいと思いますので,どうかよろしくお願いを申し上げます。 1,行財政改革として,岡山県設置の施設についてお尋ねをいたします。 本来の宿泊施設は除き,岡山県が設置した施設の中で宿泊施設が附帯された県設置施設は5カ所ありますが,本年7月の新聞報道には,そのうちの1施設,国際交流センターについて掲載されておりました。関連して,私もさまざま調べてみました。御承知のとおり,岡山国際交流センターは,平成7年6月に岡山県が設置した施設で,国際交流,国際理解,外国人向けサービスなどの総合的機能を備えた都道府県設置の国際交流施設としては最大級の施設で,岡山県はもとより,中四国における国際交流の拠点として,国内外の方々にも御利用をいただいているようでございます。さらには,国際交流事業の振興を目的につくられた施設で,実際,留学生などの情報交換の場としてラウンジもにぎわっており,会議室も国際交流事業や企業のセミナーの利用者が多く,またパスポートの発行に関しましても,窓口業務も以前に比べ岡山駅のそばと利用しやすく,好評のようでございます。 私ごとになりますが,議員以前にボランティア活動で,フィリピンのマリキーナという小学校や,当時パヤタスという地域にあるごみ最終集積地でごみを換金して生活をしている子供たち,いわゆるストリートチルドレンのもとに,教育支援交流としてピアニカなどの楽器や学用品,文具などを岡山でボランティアで集めて,携えて現地を訪ねるボランティア活動をしておりました。そういったころ,ちょうど岡山国際交流センターが完成し,こけら落としにアキノ元フィリピン大統領にお越しいただき,センターで講演がありました。また,その際,少しではありますが,私たちの活動をアキノ元大統領にお伝えすることもできました。そんなこともありまして,思い出深いセンターであります。個人的にも,さらなる本県の国際交流事業の発展を望むものでございます。しかしながら,センターの6階にあります宿泊施設の稼働率を調べてみますと,13%という数字になっております。また,宿泊施設の利用サービス内容等については,時間,料金など不便の声があるようでございます。また,センターの運営は,国際交流協会に年間約1億4,000万円で委託されており,管理費や職員の給与などに充て,協会は施設の使用料や駐車料金,また宿泊料金などを県に納める仕組みとなっております。平成13,14年度,センターの総収入額はおよそ4,000万円弱で,1億円以上が県の持ち出しになっております。中でも,前述の附帯される宿泊施設の収入は全体の1割程度であり,人件費や維持管理費を考えれば,余りに非効率な現状がございます。また,県職員の出向者1名,県職員退職者2名となっております。 そこで,以下,順次お尋ねをいたします。 (1)センターの国際会議場,会議室,研修室等の施設,とりわけ宿泊施設の運営や稼働率に係る数値目標並びにその目標に対する事業評価,あわせて稼働率を上げるための営業努力など,改善策について企画振興部長にお伺いをいたします。 (2)新行財政改革推進委員会のメンバーでもありますあるお一人の有識者が,宿泊施設についての御指摘も書かれておりました。その内容なんですけども,その運営自体に関しても,民間活力を導入するなど新しい経営手法で抜本的な見直しをし,コスト削減を目指してはどうでしょうか,お尋ねをいたします。 (3)この項の最後に,総括的にお尋ねをいたします。今回の質問の案件と同様の状況が,宿泊施設を伴う,伴わないにかかわらず,県設置施設にはあると思います。私は,いわゆる天下りとならないように,退職職員の再就職から的確な見直しを行うべきであると思います。 私は,これまでの特別なノウハウを持たれた退職職員の方々が,昨今の経済状況にも見合った奉仕に近い形の給与で,現役職員より頑張りながら就業することについては,大変意義があると思います。今議会で,公明党代表質問でも,外郭団体の見直しについてお伺いをいたしました。御答弁でも,知事は,現在の危機的な財政状況について,「公共事業や人件費を初めあらゆる歳出を聖域なく見直していく」との不断の決意をお示しになられました。どうかほかの県設置施設につきましても,ぜひ細かい状況を把握され,対応していただきたいと思います。お考え並びに今後の具体的な対応についてお考えをお示しください。 続いての項は,関連の質問もありましたけども,具体的な事例を提案しながら,違う観点から質問をさせていただきます。 2番,若年者雇用について,以下,知事にお伺いをいたします。 (1)まず,若年者トライアル雇用の推進についてお伺いをいたします。現在,全国的に学卒未就職者や早期離転職者を初めとする若年失業者が大量に発生し,加えてフリーターと言われる不安定な就労,無業を繰り返す若年層が増加していることは御承知のとおりだと思います。本県におきましても,平成14年9月の年齢階級別完全失業率において年齢比を見てみますと,15歳から24歳で全国平均9.5に対しまして岡山県は9.8,25歳から34歳で6.8に対しまして6.6となっております。本県では世代によって平均並みか平均以上で,かなり増加している現状がございます。一方,厳しい経済状況下では,企業は若年人材に対する要求水準を高めておりまして,これが若年者雇用においてのミスマッチの原因となっていると考えられます。 そこで,国においては,このような状況から,未就職者等の若年失業者を短期間試行的に雇用する厚労省のトライアル雇用制度がございます。受け入れる企業に対する支援を行いまして,その後の常用雇用への移行を図る制度でございます。採用する,しないは,トライアル終了時に企業の方が判断をします。面接だけの採用より,より適性等をはかることができる利点があります。本県におきましても,現在実施をされておりますが,なかなか広がっていない現状がございます。しかし,この制度の本県における本年6月までの累計を見てみますと,このトライアル雇用の終了者のうち,常用雇用への移行率は76%と実績も上がっております。また,来年度概算要求にも組み込まれておりますので,関係部局と企業や教育機関にもしっかりと力を入れ,連携を取りながら,若年者の雇用拡大を推進してはどうでしょうか,お考えをお示しください。 (2)ワークシェアリングによる若年雇用対策についてお伺いをいたします。同様に,前述の状況を背景に,全国の自治体で行政のワークシェアリング(雇用の分け合い)による若年者の雇用対策が行われております。深刻な若年者の雇用対策のためにも,全国の地方自治体でもさまざまな取り組みを推進しております。 兵庫県では,「ひょうごキャリアアップ・プログラム」といい,一般事務職員の残業時間を10%減らし,浮いた経費で新卒・既卒の若者を非常勤嘱託職員として採用するものでございます。採用期間は1年間。新たな就職先や資格試験等に合格した人は,希望に応じて年度途中でも退職することができます。同プログラムの採用対象は,18歳から29歳まで。次の就職先を見つけるまでのキャリアアップに重点を置くことが大きな特色でございます。 大阪府でも同様の事業を行っております。 また,変わったところでは,和歌山県では,緑の雇用事業といたしまして,山間地域において環境林整備などの環境保全事業を展開することにより,多様な雇用機会を創出するとともに,事業の担い手ともなるU・Iターン者対策を行うことによって地域の活性化を図るという,雇用,環境,そして過疎対策といった一石三鳥をねらった施策をしております。 最後に,鳥取県では,雇用のためのニューディール政策として,厳しい雇用情勢が続く中,2002年4月,鳥取県は同様の財源で雇用を創出する鳥取県版雇用のためのニューディール政策というものを始めております。この政策も,同じような財源をもとに,トータルコストを増加させないで雇用を生み出すという発想によるものでございます。その背景には,第1に,納税者の痛みを真に共有しなければ,行政の仕事が進められないと考えたこと。第2に,雇用創出のために国が設けた特別奨励金は45歳以上を対象としているため,学校を卒業しても仕事が見つからない人への対策がない。しかも,こうした人たちが求めているのは臨時雇用ではなく,正規の雇用であるが,その対策が不十分であること。そして,第3に,これを機に,福祉や教育など,これまで余り手厚くなかった分野に重点的に雇用を拡大していきたいと考えたということでした。 同様にして生み出される財源は,年間33億円。これを元手に,民間での雇用創出策を助成するための基金を創設するとともに,公共部門での雇用拡大策として,保育所の保育士増員や,被虐待児への心理的ケアを行うセラピストの配置,学校図書館の司書の充実などを行っております。さらに,教員の新規採用を行ない,かねてから実施したいと考えておりました小学校1,2年生の30人学級を市町村と協力しながら実現をさせております。 このように,各自治体においてさまざまな工夫をしておりますが,本県におきましても実施をしてはどうでしょうか,お伺いをいたします。 (3)若年者のためのワンストップサービスセンターについてお伺いをいたします。この項でも,前述の状況を背景に,24歳以下の若年者の失業率が高どまりしたままの状況が続いている中で,若者自立・挑戦プランに盛り込まれ,来年度の概算要求にも組み込まれた地域における新たな枠組み,若年者のためのワンストップサービスセンターの整備事業があります。これは,求人情報の提供だけにとどまらず,能力開発,就職支援などを一体的に行う若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)を都道府県に設置し,地域産業の活性化高度化を担う若年人材を育成し雇用を推進するもので,来年度はモデル地域10カ所の設置を目指しております。失業率の高い地域の設置としながらも,企業への働きかけなど行政が働きかける内容が多いことから,あくまで積極果敢に取り組む意思がある自治体に,これ10カ所のモデル事業というふうになっているんですけども,積極果敢に取り組む意思がある自治体に設置していきたいということのようですので,本県におきましても,積極的に事業獲得を推進してはどうでしょうか,お考えをお示しください。 3番目に,個人情報保護についてお尋ねをいたします。 個人情報保護法成立と県の対応についてお伺いをいたします。 本年5月23日,個人情報保護関連5法が成立いたしました。今回成立した関連5法案は,21世紀のIT社会の進展,電子政府,電子自治体の構築などの基礎的条件であるプライバシー保護に関する法整備を行ったものでございます。基本法である個人情報保護法においては,国と同時に地方公共団体の責務についても明確にされており,また行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律につきましては,我が県の個人情報保護条例との整合性を改めて検討する必要があると思います。総務省から,地方公共団体における個人情報保護対策に係る指導通知も発出されていると伺っております。 こうした観点から,今後の見直し作業を視野に入れて,以下,順次お尋ねをいたします。 (1)実施機関についてお伺いをいたします。本県も含め,全国的に見ても個人情報保護条例において,公安委員会や警察を対象としているものはないようでございますが,個人情報の取り扱いに伴って生じるおそれがある個人の権利,利益の侵害を防止しなければならないという基本に立てば,対象外とする積極的な理由はないと思います。警察本部長の御所見をお伺いいたします。 (2)救済措置の充実及び罰則規程についてお尋ねをいたします。国の行政機関法では,第48条に行政機関の長は,行政機関における個人情報の取り扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならないと規定されており,その基本姿勢が明記されております。県職員の方々の意識を変革する観点からも,不服申し立ての規定にあわせまして,苦情処理に係る規定についても定める必要があると考えますが,いかがお考えでしょうか。 また,国の行政機関法におきましては,公務員の守秘義務もあり,場合によっては法令遵守義務違反として懲戒免職もあるとのことで,当初,行政機関職員などの罰則規程はなかったわけですが,防衛庁の情報漏えい事件などを受けまして,国民の信頼を得るために修正作業が行われ,罰則規程が置かれました。今回の個人情報保護法制の整備に当たっては,マスコミなどから「官に甘く民に厳しい」という指摘もなされました。県民の大切な個人情報を取り扱う本県の職員の方々みずからが,さらに律して職務に当たることが必要であると思います。県民の理解を得るためにも,国の法律を参考に検討を進めるべきだと考えますが,いかがお考えでしょうか,あわせて総務部長にお伺いをいたします。 最後になりますけども,(3)本年8月から住基ネットが本格稼動いたしました。今後は,住基カードへの展開の議論を行うためにも,県としては可能な限りの個人情報保護に関する取り組みを進めるとともに,各市町村の条例の見直し作業につきましても積極的に助言していく必要があると考えます。本県市町村の現状と今後の取り組みについて,企画振興部長にお伺いをいたします。 以上で質問を終了させていただきます。御清聴まことにありがとうございました。 ○議長(戸室敦雄君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  公明党の増川議員の質問にお答え申し上げます。 県が設置をした施設についてでございますが,各施設ごとに適切なる運営に努めてきているところではございますが,議員が御指摘をされましたように,利用状況等が十分でない施設も見受けられるところでございます。今後,施設の運営状況につきまして,的確に把握をいたしますとともに,一層の民間活力の導入を検討を図るなど,より一層効率的効果的なる運営に努めてまいりたいと,このように考えております。 若年者トライアル雇用についてでありますが,厳しい雇用情勢の中で,若年失業者を短期間,試行的に雇用いたしまして,常用雇用につなげるために国が平成13年12月に創設をいたしましたトライアル雇用制度,これは若年者の雇用の拡大に有効であると考えております。 御案内のとおり,この事業は労働局がみずから実施される事業でございまして,県といたしましては,労働局や教育機関と連携をしながら,事業主,若年の求職者,新規学卒未就職者に対しましてリーフレット等を配布させていただきまして,制度の周知に努めております。ことし6月までに193人が常用雇用に移行をされたとお聞きをしているところであります。今後とも,関係機関と連携をいたしまして,より一層の周知を図って,若年者の雇用拡大に努めてまいりたいと存じます。 次に,ワークシェアリングにつきまして,幾つか先行実施をされておられます事例を引用されてのお尋ねをいただきましたが,本県におきましては,なかなかこの問題は実施をするには難しい状況にございます。と申しますのも,御案内のとおり,本県はこれまで行財政改革をいち早く他県よりも先んじて進めてまいっているところでございまして,業務の効率化やアウトソーシング等によりまして,職員定数や時間外勤務の大幅なる削減に努めてきております。先ほど御紹介ありましたような時間外勤務手当の削減よりも,本県の削減率は大幅に厳しいものを職員の皆さんにお願いをいたしております。しかも,さらに今後,人件費の削減が求められているというところでございまして,今の新行財政改革推進委員会の議論の中でも,例えば,職員定数そのものに加えまして,非常勤の職員に対しましてもさらに抑制をすべきではないかと,このような御提言もいただきつつあるわけでございまして,それらを考えますと,現在の本県の置かれている状況からいたしますと,ワークシェアリングを実施することはなかなか難しい問題があると,このように考えております。 ただ,若年者の雇用対策ということは大変重要な課題でございまして,今後とも,どのような対応ができるのか,引き続き研究を重ねてまいりたいと存じます。 最後に,ジョブカフェでございますが,これにつきましては,既に今議会で御答弁させていただいておりますとおり,若年者を対象にいたしまして,カウンセリングから職業紹介までの一貫したサービスを行うワンストップ型のジョブカフェ,これを地方に設置するという施策は有意義であると私も考えております。ただ,現在のところ,その事業内容等の詳細が不明であるところでございまして,今後,年末の予算編成に向けまして徐々に内容が明らかになってこようかと思います。したがいまして,今後とも,情報収集に努めまして対応を考えていくということになりますが,もちろんその中で,本県が実施をするのにふさわしい事業がありました場合には,それを検討させていただくと,こういう姿勢で臨んでまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  総務部長西藤公司君。   〔 総務部長 西藤公司君 登壇 〕 ◎総務部長(西藤公司君)  個人情報保護についての質問にお答えいたします。 救済措置の充実と罰則規程についてでございますが,本県の個人情報保護条例につきましても,国の法律の成立を踏まえまして見直しが必要であると考えております。このため,今後,国において定められます政令や個人情報の保護に関する基本方針の内容を踏まえながら,苦情処理や罰則規程などにつきまして,岡山県行政情報公開制度運営審議会で御審議をいただくなど,必要な条例改正に向け準備を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  企画振興部長板野忠司君。   〔 企画振興部長 板野忠司君 登壇 〕 ◎企画振興部長(板野忠司君)  お答えいたします。 岡山国際交流センターの運営状況についてでありますが,平成7年の開館以来,施設全体の利用者数は年間約20万人で推移しておりまして,昨年度の利用実績は,国際会議場は年246件で1日当たり0.8件,また研修室及び会議室は年2,111件で,各室1日当たり1.7件と,いずれも開設当初の予測目標の2倍以上に達しております。しかしながら,宿泊施設におきましては,御指摘のとおり,昨年度の稼働率は13%で,開設当初の予測の約4割と,非効率な状況にとどまっておりまして,稼働率の向上が喫緊の課題であると認識しております。このため,宿泊施設はもとより,センター全般の運営につきましても,利用料金や利用者サービスのあり方などを再検討するとともに,積極的な営業宣伝活動を行いまして,施設の利用率の向上に努めてまいりたいと存じます。 次に,国際交流センターのうち,宿泊施設の見直しについてでありますが,現行の料金ベースで試算しますと,収支合い償うためには少なくとも5割の稼働率が必要と推測されますが,当宿泊施設は7室で定員13名と小規模でありまして,フロント機能や朝食の提供がないなど,料金と比較しましてサービスの面で問題があることから,利用が低調に推移していると考えております。開館時に比べまして周辺の民間施設の客室数が増加し,また価格競争が激化する中,スケールメリットに欠ける当宿泊施設の運営につきましては,民間活力の導入による利用率の向上や,コスト削減の可能性も含め,総合的な見直しを行う必要があると考えております。 次に,個人情報保護に関連し,市町村での取り組みについてでありますが,お話の住基ネットにつきましては,独自に制度面,技術面及び運用面で各種の個人情報保護対策が講じられているところであり,県としても,引き続き個人情報の保護に努めてまいりたいと存じます。 また,県内におきましては,本年7月1日現在で65市町村が個人情報保護に関する条例を制定し,個人の権利利益の保護を図るための措置を講じているところでありますが,IT社会が進展します中で,個人情報保護対策は重要な課題であることから,条例を制定済みの団体に対しましては,救済措置や罰則の制定など所要の見直しを検討するよう助言を行うとともに,条例を制定していない団体に対しましては,早急に条例を制定するよう働きかけているところであります。今後とも,県下の市町村における個人情報保護対策がさらに万全なものとなるよう取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(戸室敦雄君)  警察本部長篠原渉君。   〔 警察本部長 篠原 渉君 登壇 〕 ◎警察本部長(篠原渉君)  増川議員の御質問にお答えをいたします。 岡山県個人情報保護条例における公安委員会及び県警察の実施機関となることについてであります。 県警察といたしましても,先般制定されました個人情報保護関連5法や,本県条例の趣旨を踏まえまして,実施機関となることが望ましいと考えているところでありますが,一方,警察の主たる業務は,犯罪の予防,鎮圧及び捜査等,公共の安全と秩序の維持に係るものでありまして,一般行政とは異なる部分が多いこと,また国や他の都道府県警察と取り扱いを統一する必要がありますことから,今後,全国的な動向を踏まえまして,知事部局と協議の上検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(戸室敦雄君)  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △9月19日の議事日程 ○議長(戸室敦雄君)  明日の議事日程は,午前10時30分開議で,一般質問,議案委員会付託,請願陳情委員会付託であります。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(戸室敦雄君)  本日は,これをもって散会いたします。 御苦労さまでした。        午後3時14分散会〇 平成15年9月18日(木曜日)出席議員   1番 森脇 久紀君     2番 増川 英一君     3番 蜂谷 弘美君   4番 山本満理子君     5番 小倉 弘行君     6番 加藤 浩久君   7番 栗山 康彦君     8番 神宝 謙一君     9番 西岡 聖貴君  10番 波多 洋治君    11番 小林 清子君    12番 久徳 大輔君  13番 高橋 戒隆君    14番 蓮岡 靖之君    15番 佐藤 真治君  16番 姫井由美子君    17番 三原 誠介君    18番 森本 徹磨君  19番 吉田 政司君    20番 赤坂てる子君    21番 武田 英夫君  22番 山田総一郎君    23番 長瀬 泰志君    24番 草苅 隆幸君  25番 池田 道孝君    26番 井元乾一郎君    27番 末藤  守君  28番 伊藤 文夫君    29番 小田 圭一君    30番 渡辺 英気君  31番 内山  登君    32番 小野 泰弘君    33番 河本  勉君  34番 岸本 清美君    35番 小田 春人君    36番 藤村 欣裕君  37番 住吉 良久君    38番 鈴木 一茂君    39番 景山 貢明君  40番 高橋 英士君    41番 古山 泰生君    42番 天野  学君  43番 中塚 正人君    44番 市村 三次君    45番 三村 峰夫君  46番 千田 博通君    47番 佐古 信五君    48番 森  正人君  49番 桑山 博之君    50番 戸室 敦雄君    53番 井手紘一郎君  54番 小枝 英勲君    55番 大杉 尚久君    56番 蜂谷 勝司君  58番 原  寿男君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~欠席議員  57番 門木 和郎君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~出席した事務局職員  事務局長     古矢 博通         次長       平田 忠昭  議事課長     前原 耕二         政務調査室長   曽田 章楷  議事課長代理   河井 伸充         議事課長補佐   亀山 節子  議事課主幹    若林 宏之         議事課主幹    石川 幸二           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~説明のため出席した者知事部局  知事       石井 正弘君        副知事      本田 茂伸君  副知事      大西 珠枝君        出納長      黒崎 一秀君  公営企業管理者  龍門  功君        政策審議監    窪津  誠君  知事室長     赤田 修司君        国体・障害者スポーツ大会局長                                  島津 義昭君  総務部長     西藤 公司君        総務部次長    古宮 正範君  企画振興部長   板野 忠司君        生活環境部長   土井 道彦君  保健福祉部長   宇都宮 啓君        商工労働部長   青井 賢平君  農林水産部長   村上 進通君        土木部長     山中 義之君教育委員会  委員長職務代理者 橋本 信子君        教育長      宮野 正司君  教育次長     三浦 一男君公安委員会  委員長      喜多嶋美枝子君       警察本部長    篠原  渉君  警務部長     西郷 正実君人事委員会  委員       平松  掟君        事務局長     藤原 師仁君監査委員  代表監査委員   吉永 謙一君        事務局長     則井 保博君選挙管理委員会  委員       岡本 研吾君...